FPEとは毎実行あたりのフレーム数のことで、アニメーションをレンダリングするときに設定できます。CPUでレンダリングされるプロジェクトのFPEの値は、 デフォルトでは1に設定されています。 これは、各フレームが毎回新しいもの(個別のタスク)としてレンダリングされることを意味します。つまり、新しいフレームが開始するたびに、シーンが各ノードにロードされます。 GPUでレンダリングされるプロジェクトの場合、デフォルトではFPEの値は5に設定されています。 つまり、1つのノードで5つのフレームが連続してレンダリングされることを意味します。
FPE(Frames Per Execution)設定を使用すると、レンダリングノードでシーンをリロードすることなく、複数のフレーム(入力した値)を連続してレンダリングでき、レンダリングのパフォーマンス/効率が向上する可能性があります。 シーンの読み込み時間が長いのにレンダリング時間が短い場合は、FPEをより高い値(たとえば4)に設定します。 ロード時間が短くレンダリング時間が長い場合は、値をデフォルトのままにするか、1に設定します。
Frame Per Executionの値を設定できる場所は2つあります。
一つ目は、Webダッシュボード(Webマネージャー)です。 ファームのキューにシーンを追加する際に表示される、送信ウィンドウに表示されます。 このウィンドウには、いくつかの設定があり、使用する3Dアプリによって異なる場合もありますが、 Frame Per Executionを含めほぼ一般的に同じです。
ジョブの送信やそれに関連する設定については、https://garagefarm.net/jp/software-guidesの使い方ガイドを参照してください。
Frame Per Executionを調節できる2つ目の場所は、renderBeamerアプリです。
まず、renderBeamerの設定(歯車のアイコン)で自動送信オプションを有効にする必要があります。 次に、[編集]を選択すると、自動送信の詳細設定に進むことができます。
このパネルで、対応している3Dアプリケーションの自動送信テンプレートを作成および管理できます。 利用可能ないくつかの設定の中に、FPEと呼ばれるフィールドがあります。ここでは、カスタムでFrame Per Executionの値を設定できます。 この値は、自動送信オプションが有効になっている場合、送信されるすべてのシーンに適用されますのでご注意ください。
自動送信は、レンダリングに必要なジョブの送信の手順の数を減らし、ワークフローを簡素化および高速化するための高度な設定です。したがって、自動送信は、標準のワークフローに慣れた後でのみ使用することをお勧めします。 こちらのビデオから、詳細をご確認ください:レンダリングジョブをクラウドレンダーファームに自動送信する
renderBeamerアプリの詳細な説明とすべての設定のメカニズムに関しては、こちらからご確認ください: guide
以下に、Frame Per Executionsの設定を用いたさまざまな使用例をいくつかご紹介します。 各例には、合計レンダリング時間の計算、個々のレンダリング時間、コストと時間の見積もりを含む比較表など、様々なケースを詳細に説明しています。
プロジェクトの詳細:
1ノードでの1フレームの合計レンダリング時間:7分(5分 - 読み込み時間、2分 - レンダリング時間)。
100フレームの合計レンダリング時間:700分(7分 x 100フレーム)。
この例の場合は、FPEが1に設定されています。この場合、1つのフレームをレンダリングする際、レンダリングプロセスを開始する前に、ノードが常にシーンをロードする必要があります。 そのため、前処理ローディング/時間に5分、実際のレンダリング時間に2分で、プロセス全体に7分かかることになります。 これがアニメーション全範囲のすべてのフレームに適用され、各フレームは別々のノードで別々にレンダリングされます。
1ノードでの1バッチの合計レンダリング時間:25分(5分 - ローディング/前処理時間、10 x 2分 = 20分 - レンダリング時間)。
10ノードでの10バッチの合計レンダリング時間:250分(25分 x 10バッチ)
FPEが10に設定されている場合、各ノードにおいて1回の実行で10フレームが連続してレンダリングされることを意味します。 したがってこの例では、シーンがノードに1回だけロードされ(5分)、1回のロードで10フレームがレンダリングされることがわかります(各フレームは2分でレンダリングされるため、10フレームで20分かかります) 。 10フレームの1つのバッチを、1つのノードでレンダリングした場合、合計時間は25分になります。
上の画像は、フレームがどのようにバッチに分割され、別々のタスクとして各ノードにレンダリングされるかを示しています。 これは100フレームのアニメーションであり、FPEが10に設定されているため、フレーム範囲が1〜100のプロジェクトでは10の別々のバッチでレンダリングされます(各バッチには10フレームが含まれます)。
この表には、プロジェクトに対する仮定(前処理/読み込み時間+レンダリング時間)に基づいて、デフォルトとカスタムの両方のFPE設定の詳細な計算が示されています。
一つ目の仮定は、FPE = 1の場合のコストとレンダリング時間を示しています。各フレームは別々のノードで別々のタスクとしてレンダリングされるため、この場合、100フレームの合計レンダリング時間は700分になります。 FPE = 10に設定すると、シーンの合計レンダリング時間を250分に最適化できます。これは10フレームの各バッチが、特定のノードにシーンを1度だけロードするためです。
適用した優先度とレンダリングプロセス全体(前処理/読み込み時間+レンダリング時間)に基づいてコストが計算されるため、この場合、読み込み時間がレンダリング時間よりもはるかに長い場合、最終的なコストの違いは重要です。
プロジェクトの詳細:
1ノードでの1フレームの合計レンダリング時間:50分(10分 - 読み込み時間、40分 - レンダリング時間)。
250フレームの合計レンダリング時間:12,500分(50分 x 2500フレーム)。
1ノードでの1バッチの合計レンダリング時間:210分(10分 - ロード/前処理時間、5 x 40分 = 200分 - レンダリング時間)。
50ノードでの50バッチの合計レンダリング時間:10,500分(210分 x 50バッチ)
この表には、プロジェクトに対する仮定(前処理/読み込み時間+レンダリング時間)に基づいて、デフォルトとカスタムの両方のFPE設定の詳細な計算が示されています。
一つ目の仮定は、FPE = 1の場合のコストとレンダリング時間を示しています。各フレームは別々のノードで別々のタスクとしてレンダリングされるため、この場合、250フレームの合計レンダリング時間は12,500分になります。 FPE = 5に設定すると、5フレームの各バッチが特定のノードに1度だけシーンをロードするので、シーンの合計レンダリング時間を10,500分に最適化できました。
適用した優先度とレンダリングプロセス全体(前処理/読み込み時間+レンダリング時間)に基づいてコストが計算されるため、この場合、読み込み時間がレンダリング時間よりもはるかに長い場合、最終的なコストの違いは重要です。
それぞれのFPEと読み込み時間を設定したさまざまなケースにおけるレンダリングをシミュレートできるように、コスト計算機を設計しました。
以下の画像は、この計算機のオプションがどこにあるかを説明しています。
計算機のリンク:https://garagefarm.net/jp/cost-calculator