たとえば、あなたはファームでコスト計算機を使用して見積もりを出し、その見積り内容にも満足したのでプロジェクトをレンダリングしたら、見積もりよりもはるかに高い費用を請求されたとします。はっきり言ってあなたはだまされたと感じるでしょう。
もしすでにこんな経験があるなら、申し訳ありません。ファームはもちろんあなたを混乱させたいわけではありません。今回の記事を読んでもらえればわかるように、レンダリングの費用(そしてレンダリング自体)に影響を与える要素は多くあり、それが見積りコストと最終コストにこのような差を生む可能性があるのです。
このようなことがあなたに再度起こるのを防ぐため、またはガレージファームで初めてサーバーレンダリングする場合このような体験をしないようにするために、レンダーファームがどのように機能するかなど、誤解を減らし今後レンダリングを安心して行っていただけるような情報を紹介します。
特にタブーなことも気にしないといけないこともありません。この記事ではできる限り具体的に紹介していきます。色々と質問が出てくると思いますが、徹底的に解説します。では見ていきましょう。
クラウドレンダーファームで全てのプロジェクトをレンダリングする前に、3Dアニメーションや画像のレンダリングに問題がないことを確認してください。 レンダリングに問題があると、レンダリングの合計時間が不必要に長くなる可能性があります。 一番よくある問題は、最適化されていないシーンによるもので、レンダリングプロセスが無限に進行したり、クラッシュしたりする可能性があり、余計な出費になってしまいます。
バケットの停滞は、基となるシーンの典型的な問題の一つです。 バケットの停滞は、壊れたオブジェクトが他のオブジェクトに不適切に反射したり、3D設定が高すぎるなど、さまざまな要因で発生する可能性があります。 この厄介なバケットの停滞を解決する方法についてはここでは詳しく説明しませんが(この問題に関して解説した別の記事はこちら)、バケットの停滞を回避する方法は、1/10の解像度で画像またはアニメーションのテストレンダリングを自分のマシンで行うことです。経験からすると、小さいバージョンのレンダリングに15分以上かかる場合、その画像には最初に対処しておかなければいけない技術的な問題があります。そのままレンダリングしてしまうと、問題のある画像をレンダリングすることになり、お金が無駄になります。
バケットの停滞よりも深刻ではありませんが(それでもコストがかかりますが)、レンダーファームで対応していないプラグイン、シェーダー、またはテクスチャに関連する問題もあります。 この問題は、インターネットからダウンロードしたアセットによく見られます。 プロジェクトにこれに関する問題があるかどうかを確認するには、ファームでテストレンダリングを実行することです。 繰り返しになりますが、テストとは画像の低解像度バージョンをレンダリングしたり、アニメーションからいくつかのサンプルフレームをレンダリングします。 これにより、ソフトウェアのバージョンがレンダーファームのバージョンと互換性がないかどうかもわかります。
上で解説したように、レンダーファームでお金を節約するなら、テストは重要なスキルです。 静止画をレンダリングする場合でもアニメーションをレンダリングする場合でも、レンダーファームでお金を無駄にしないようにするためのさまざまな方法があります。
アニメーションでは、ステップテストとフリッカー/ノイズテストがあります。 ステップテストは、アニメーション全体からサンプルとしてフレームを選んでレンダリングする方法です。たとえば、アニメーション内で5フレームごとにレンダリングします。これは巨大なピザのさまざまな箇所の一部分を切り取って、そこからピザ全体の良さを知る、といった感じです。 一方、フリッカー/ノイズテストは、ステップテストの逆です。ここでは、アニメーションから5〜20の連続したフレームを取り出し、ファームでレンダリングします。 連続するフレームをサンプルとしてレンダリングすると、アニメーションでの光の跳ね返りをファームのノードがどのように処理するかを確認できます。 ノードが異なれば、光の跳ね返りの計算方法も少し異なり、ノイズパターンも異なります。 これらのパターンを変更すると、ちらつきが発生する可能性があり、 連続するフレームをレンダリングすることで、ちらつきなどの不要なアーティファクトの有無を知ることができます。
静止画の場合、前のヒントで説明したように、最終的な画像を低解像度でレンダリングするのがコツです。 この低解像度バージョンのレンダリング時間を取得したら、最終的な画像の合計レンダリング時間を計算できます。
テストについてさらに詳しく知りたい場合は、レンダーファームの価格設定の仕組みについて説明した別の記事がありますので、こちらでさらに詳細をご確認いただけます。
このヒントは、アニメーションのレンダリングのみを対象としています。 Frames per execution(実行あたりのフレーム数)は、アニメーションをレンダリングするときに設定できる高度な設定で、レンダリングの効率を高めてコストを節約するのに役立ちます。
Frames Per Execution (FPE) /実行あたりのフレーム数は、「Frames Per Task(タスクあたりのフレーム数)」とも呼ばれる技術用語で、ファームのノードが同時に処理するフレームの数を意味します。 ノードをスーパーヒーローと考えると、FPEの値はヒーローが攻撃できる悪役の数です。 FPEを1に設定すると、各ヒーロー(ノード)が一度に1人の悪役(フレーム)に対応することを意味します。 FPEをより高い数値(たとえば4)に設定すると、ヒーロー(ノード)がチームを組み、一度に4人の悪役(フレーム)に対応することを意味します。
したがって、たとえば、50フレームのプロジェクトがあり、これらのフレームをレンダリングするためにファームで50のノードを割り当てた場合、FPEは以下のようになります。
これはどのように費用の節約につながるのでしょうか。例えば、読み込みに時間がかかるけど、レンダリングがそれなりに速いプロジェクトの場合、すべてのノードに同じプロジェクトを読み込んでレンダリングさせるのはかなり時間がかかります(非効率的で費用がかかります)。 これは、FPEが1に設定されている場合に発生します。この場合、プロジェクトがより少ないノードでレンダリングされるように、より高いFPEを設定する方が効率が良いです。 このように、コストが大幅に上昇するケースもあり、すべてのノードが重いファイルを開く必要はありません。
逆に、プロジェクトの読み込みにかかる時間が短く、レンダリングが遅い場合は、FPEをデフォルトの1のままにし、できるだけ多くのノードで同時にレンダリングすることをお勧めします。
まず最初に大事なことは、コスト計算機の簡単な仕組みを知っておくことです。コスト計算機は、あなたのコンピューターが1フレームをレンダリングする時の平均時間に基づいて、ファームでプロジェクトをレンダリングする時のコストを見積ります。
さて、どこのレンダーファームのコスト計算機でも教えてくれないことが3つあります。
項目#1については、これはヒント#1で説明されています。 プロジェクトにおいてレンダリング時間が延長される可能性のある何らかの問題がある場合、コスト計算機はおそらくそれを教えてくれません。レンダーファームの価格設定の仕組みに関する記事(ヒント#2のリンク)を読むと、コスト計算機は、使用しているプロセッサー、あなたのコンピューターでの1フレームあたりの平均レンダリング時間、およびプロジェクトのフレームの合計数のみを考慮していることがわかります。コスト計算機は、プロジェクトで停滞しているバケット、非対応のシェーダーやテクスチャ、またはソフトウェアバージョンの非互換性があるかどうかを検出できません。
項目#2:読み込み時間。 これは、レンダリングノードのソフトウェアにシーンファイルをロードする際に使用される時間です。 プロジェクトによってファイルサイズと複雑さが大きく異なるため、コスト計算ツールでこれを考慮することはできません。
項目#3:待機時間。 これは「待機列上」で費やされる時間です。 レンダーファームにはプロジェクトの待ち順を決めるシステムがあり、プロジェクトの優先度に応じてノードに割り当てられます。 これにはある程度の制御がありますが(料金が高いほど待機列上の優先度が高くなります)、正確な待機時間はコスト計算機では計算できません。
このセクションの説明では、レンダーファームを使用する際のコスト削減のヒントには聞こえないかもしれませんが、見積りコストと最終コストの不一致に関する誤解を解消し、「パケ死」を軽減する方法について説明しました。
また、最終的な料金が見積りよりも高くなることは一般的ですが、逆の場合もあります。 静止画の推定値に関しては、画像の解像度に影響される要素と影響を受けない要素があるため、通常、最終的な料金は見積りよりも低くなります。 これに関してさらに知りたい場合は、オンラインレンダーファームの使用方法に関する記事をお読みください。
ガレージファームは、24時間年中無休のサポートチームがいることで知られています。 何か問題が発生した場合、自分で解決しようとするのではなく、電話やチャットで助けを求めるのが最善です。 チャットにはロボットではなく実際にファームのメンバーがいるため、質問に対してちゃんとした回答が得られます。 サポートに連絡するのが面倒だと思ってレンダリングの設定がわからないままレンダリングしたり、問題が発生した後にサポートに連絡しようしても、さらに面倒が増す可能性があります。サポートチームに連絡する時間を取るだけで、最終的にはそれ以上に多くの時間を節約できる可能性があります。 そしてもちろん、時間が節約できるということはお金も節約できるということですよね。
以上のプロのヒントで、レンダーファームをより効率的に使用していただければと思います。 これは3Dスキルに関してではなく、3D制作における、管理、先見性、オンラインレンダーファームの仕組みの理解に重点を置いた内容となっています。 レンダーファームの基本をさらに理解したい場合は、他の記事をチェックしてください:レンダーファームとは何か、オンラインレンダーファームの使用方法。