自分だけの建築ビジュアライゼーションのスタイルを見つけて輝かせる方法

自分だけの建築ビジュアライゼーションのスタイルを見つけて輝かせる方法

鶏が先か卵が先か?

古代ギリシャの輝かしいパルテノン神殿から、私が昔働いていた会社の無機質な建物のデザインまで、さまざまな時代に広がるスタイルの性質があります。特に建築デザインは時代のスタイルの影響を受ける分野であり、代表的なものを挙げると、バロック、ゴシック、クラシックがあります。 「スタイル」という言葉を聞くと、個人の芸術的な質や時代を思い浮かべることが多いです。たとえば美術史を見ると、ダ・ヴィンチのモナ・リザはルネッサンス期の落ち着きや理想の厳粛さを象徴する作品ですが、逆にエドヴァルド・ムンクの「叫び」には時代の不安が表現されています。

しかし建物を一見しても、レンガや屋根瓦などの素材や外観から、感情的な意味や背景を感じたりはしないでしょう。代わりにまずは、構造的な利点や太陽の光が入るかなど、実用的な機能に注目すると思います。明らかに、建築と絵画の違いは大きいです。 主な理由は、建築には機能性が一番重要だからです。 視覚的な芸術が役に立たないと言っているわけではありませんが、建物は居住環境です。 芸術を感じるときのように、トイレに行くたびも悲しい気持ちになったり、考え込んだりしたくないですし、ただ気持ち良く使用できるように換気できる空間であってほしいだけです。

画像提供: www.EdwardMunch.org

トイレといえば、GarageFarm の CG トークの第 3 話を聞いていたとき、私はトイレにいました。 DisneyやPixar などのブランドにつながりのある 3D モデリングとは異なり、建築ビジュアライゼーションはアート作品としては一般的にあまり認知、評価されていないようです。また、建築ビジュアライゼーションは機械的な仕事であり、創造的に制作できる余地がほとんどないという一般的な認識があるようです。しかし建築だけでなく、実際は3D制作のほとんどの側面では、クリエイティブな作業は必要ありません。 それでも、世間では印象的な作品ばかりに非常に多くの称賛が与えられています。トイレで泣いてしまうような時、インテリアのレイアウトやデザインが良いことを思い出させてくれるといいですね。

芸術性について話してきましたが、では建築ビジュアライゼーションではどのように芸術性を輝かせるでしょうか?

建築ビジュアライゼーションのスタイルとは

あなた携わるすべてのプロジェクトは、あなたの好みに多少影響されます。しかし、好みやビジュアライゼーションのスタイルが発展できるのは個人的なプロジェクトです。

あなたの建築ビジュアライゼーションのポートフォリオは、過去最高の作品をまとめただけのものではありません。 それは現在自分が実践しているものを紹介し、自分を評価するための指標であるべきです。 それを念頭にポートフォリオを作成すると、あなたの好みの詳細が明らかになります。 色をブレンドする方法、影と光の表現方法など、あなた独自のスタイルがわかってくるでしょう。

スタイルは意識的な決定と無意識の決定の両方を含み、自然な傾向や習得した技術の影響を受ける可能性があります。しかし傑作を見る必要はなく、単に描画の練習をすることが大切です。例えば、スキルレベルの異なる5人を部屋に入れ、裸の人物を描いてもらうとします。できたものはスタイルの点で大きく異なるでしょう。各アーティストはさまざまなテクニックを採用し、姿勢、線の太さ、曲線や波線の使用などについて意識的または無意識に決定を下します。スタイルは芸術の基本的な側面であり、意識的および無意識的な決定と習得された技術の組み合わせによって形成されます。そして単純な作業でも個々のアーティストの独自のスタイルを明らかにできるのです。

完璧な人などいません。人にはそれぞれ、作品に影響を与える可能性のある癖や傾向があります。これらの癖は、すぐには気付かないかもしれない微妙なものかもしれないのですが、作品を全体的に影響を与える可能性があります。言い換えれば、意図的であろうと無意識的であろうと、各アーティストが作品にもたらす独自の特性が、個人のスタイルの形成に貢献しています。

これは…芸術? 画像提供:Life @ U of T

ただし、3Dプログラムを使用するときには、技術的な制約により、自分のスタイルを開発することは困難です。ある建築デザインクラスの学生が、 CADで作成したドラフト作成したのですが、教授はそれを拒否しました。教授はこれらのプログラムで使用されるツールが学生に同じように考えるように強制し、独自のスタイルを開発する能力を制限していると信じていました。教授はクラスをグループに分けて検証してみました。 1 つのグループは真っ先に 3D プログラムを使い始め、もう 1 つのグループはまずアイデアをスケッチした後、デスクトップに向かいました。以前のデッサンの例をまた持ち出してみると、これらの学生がヌードを描くとしたら、ソフトウェアの基本的なツールを使用してモデルの肖像をキャプチャするでしょう(たとえば、丸いベース モデルをインポートしてそこからハッシュ化するなど)。 コンピューターにコミットする前に一歩下がってアイデアをスケッチすることで独自のスタイルを開発できるのです。

スケッチや粘土などの伝統的な方法は、アートワークを作成するための新鮮で迅速なアプローチを提供しますが、これはコンピュータープログラムを使用すると失われます。 コンピューター プログラムを使用すると、時間がかかり、柔軟性に欠ける場合があります。最善の方法は、作品全体を別の視点から見ることです。

描くだけでいいのか?絵が描けないから3Dを始めた人はどうすればいいのか?

Or is it???

3Dでは、制作者と制作対象物の中間には、作者の手、マウスやスタイラスペン、キーボードのショートカット、そしてその他の要素があり、それにより創造的ではない作業が増えます。 それでも、ほとんどの人はこれらの新しいツールを受け入れて、作業効率をよくすることで不安感を軽減しています。しかし何でもそうですが、慣れるには練習が必要です。 もしあなたが絵を描くことは苦手なら、なぜ写真を撮らないのでしょうか?写真は技術的な制約が少なく、より創造的な実験を可能にします。テクノロジーと創造的な自由の間の適切なバランスを見つけることが、有意義で影響力のある芸術を生み出すための鍵であるのです。

まとめると、スケッチや写真などの他のメディアを 3D ワークフローに組み込むことでメリットを得られます。 事前にアイデアをスケッチすると、最初から適切に方向性を確認できます。 写真を学ぶと、構図と照明の感覚が洗練され、シーン内の被写体を強調できます。 これらのスキルは、アーティストがより効率的かつ効果的に作業するのに役立つため、厳しい締め切りや厳格なプロジェクトの制約で働いているアーティストにとっては非常に重要なことです。さまざまな媒体や技法を使用することで、偶然に任せることなく、アートワークの最終的な外観とスタイルに貢献する意図的な選択を行うことができます。無意識の動きも見逃さないようにするのはあなただけです。 つまり、チャンスを待つだけではいけないのです。

フォトリアリズムが建築ビジュアライゼーションに一番重要か?

この疑問にはそうだとも言え、そうでないとも言えます。 かつて、フォトリアリズムは建築ビジュアライゼーションのプロジェクトにおいて一番目指すべきものでした。しか現在では異なる価値観が生まれ、ストーリーのある作品が望まれています。つまり、建築物を正確に描写するだけでなく、ストーリーやメッセージを伝える画像をクライアントが求めているのです。また、Architizerコンテストの最近の受賞作品は、写真を評価するのと同様に、芸術的な基準で審査されました。

イアン・ヒューバート氏が「World Building DJ recalls」の講演で次のように語っていました。くだらない写真を撮ったとして、それがどんなに写実的であっても(写真なのだから、当たり前だが)、くだらないことに変わりはない。世の中のすべてのものが、写真を撮った後に突然「魅力的」になるわけではありません。フォトリアリズムだけでは、魅力的なイメージや市場性のあるイメージにはなりません。どんなに分かりやすいイメージであっても、暗く無感情なインテリアのイメージを売り込むことはできません。3Dは、他のアートと同様に、平凡なイメージから何か別の魅力を生み出すことができるのです。

そのために必要なのが、ツールです。そして、自分の作品をスタイリッシュに仕上げるには(もちろん、自分のスタイルを見極めた上で)、ポストプロダクションが不可欠です。映画業界でよく使われる「Do it in post」というのは、失敗を修正するだけのものではなく、作品を向上させるプロセスでもあります。映画撮影では、できるだけフラットな映像で撮影し、生の映像に最小限のカラーグレーディングや調整を施すことを好む監督がいます。これにより、ポストプロダクションで色や照明を調整し、よりスタイル化された外観を作ることができるのです。また、カラーだけでなく、ライティングの面でも、フレーム外の光源を導入することで、より迫力のある映像に仕上げることができます。

最後になりますが、自分のスタイルを見つける上で最も重要なことは、いろいろ試してみることです。そしてそのためには、自分の作業に必要な道具を十分に使いこなすことも必要です。そしてスケッチや写真など伝統的の手法は、自分のスタイルの要素を切り分け、それらを改善するために役立ちます。言い換えればこれらの伝統的な手法で、大きな3Dプロジェクトをより小さく、より管理しやすいパーツに分解し、より集中して作業に取り組み、改善していくことができます。

アーティストのおすすめ:

https://www.blenderguru.com/about/ Andrew Price
https://bertrand-benoit.com Bertrand Benoit

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Credits

ライター:Elo Dinglasan。フリーランスのライター兼編集者。 親友である犬と8歳の息子以上のものは、人生に必要ありません。

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