3D 業界の進歩には目を見張るものがあります。 過去 30 年間の CG の作品、例えばDreamWorks の シュレック (2001) などを改めて見て、現在の他の作品と比較すると品質の差は明らかです。
後から考えると、「モデリング革命の危機に瀕している」と考えられていたのは、そう間違ってもいないことのように思えます。 3D アニメーションがメディア、ゲーム、アーキテクチャを席巻し続けていることに加えて、2019 年の 3D 業界に関する記事では、クリエイターは端から追い出されることを示唆しています。 業界のテクノロジーが進化するにつれて、ハードルは上昇しており、サービスの品質と専門知識を更新し続けることが常に求められています。
私たちのような小規模のスタジオ や、3D フリーランサー、典型的なクリエイターにとって、より激しい競争につながります。頻繁に発信し、大規模な仕事は受け入れ、タスクをより速く達成することが成功の秘訣です。 スピードを重視した競争の業界と言えますが、そこでレンダリングが問題になる可能性があります。
レンダリングは、主にハードウェアの機能に依存しており、これが予算の問題の原因となっています。 技術面やスキルなどクリエイションに自信があっても、レンダリングが創作の勢いを妨げる原因になる可能性もあります。 適切なマシンがなければ、フォトリアルな作品に仕上げたくても、締め切りと予算に合わせるためにクオリティがダウンしてしまうかもしれません。 「写真のようにリアルにレンダリングする」ことが一番の目標でなくても、プロジェクトのレンダリングに割り当てられた時間が、ワークフローで最大のネックになることがよくあります。 レンダリングには時間がかかり、リソースを大量に消費します。
これはコントロールすることよりも状況を予測することが大事です。建築関係の 3D アーティストは3D ゼネラリストに比べ、一貫して仕事のスケールを把握でき、レンダリング時間を予測しやすいと言えます。
いずれにせよ、サードパーティのクラウドレンダーファームに委託する必要があるのでしょうか。それとも、社内でレンダリングすることを検討する必要があるのでしょうか。
この記事では、両方の利点と欠点について説明します。 始める前に、ハードウェアを増やすことや改善する以外にできることがいくつかあります。 たとえば、クレムソン大学が行った、さまざまなレンダーマネージャーの比較と、それらが創作のパイプラインに与える影響を調べた研究報告があるのでそれをまずは読んでみるのもいいでしょう。 そして私たちのブログでは、起こりうる問題を早期に見つけるためのテスト方法や、3ds Maxでジオメトリとテクスチャを介してレンダリングするためのシーンの最適化の方法なども紹介しています。
これらのリソースは無料です。 そしてありがたいことに、レンダリングは難しい作業ではありません。
社内にレンダーファームを設置する際には、考慮すべきことがたくさんあります (予算、スペース、電気設備など)。 最善の方法は、ソフトウェアとハードウェアの主要なカテゴリに従って構成することです。 独自のレンダーファームを構築するには難しい問題に多々直面するかもしれませんが、独自のレンダーファームを構築して維持していければ投資の価値はあります。
ソフトウェアによって、予算の上限と下限は様々なので、それにより他にかけれる費用も変わってくるでしょう。 互換性とは別に、ソフトウェア ライセンスがシングルユースかフローティングかは支出に大きく影響してくるので、必要なノード数に直も影響するでしょう。 Renderman の年間平均価格は、ライセンスあたり 680 ポンド (約11万円) です。 一方、Guerrilla Station での作成は無料ですが、Guerrilla Render を使用するには、10 ~ 19 のクラスターのノードあたり 630 ポンド (約10万円) かかります。
Übel のレビューによる VFX、ゲーム、建築用のレンダリング エンジンと、Yamazaki による 3D レンダラーの最新リストは、ソフトウェアのオプションをまず調べてみるのにお勧めです。 そしてレンダー ファームに関して次の点に注意してください。
鉄則は、常に最終の成果物を考慮することです。 レンダリングの品質は、速度と精度のバランスによって決まります。 あなたの仕事(医療デザイン、キャラクターデザイン)がリアリズムよりも様式化されたものを必要とする場合、正確さはそれほど重要ではなくなります。一方、Blender の Cycles と EEVEE は無料ですが、ソフトウェア特有の機能を確認しておくことは大事です。例えば、レンダリング時間 (バイアス) とレンダリング品質 (GI) でどのように比較しているのか? 自分のニッチな仕事に適したものはあるのか?などです。
ハードウェアは最初に投資が必要ですが、1 回限りというわけではありません。 なぜならそれは降格する可能性があり、その時は最高でも、2年後には二流になっている可能性があります。
ただし、メリットもあります。 例えば、市場から出たばかりの話題の製品を手に入れた人もいます。
もう 1 つは、さまざまなコンポーネントからノードをカスタマイズすると、パフォーマンスがより安価になり、改善されることです。 ノードごとに有料のソフトウェア ライセンスが必要になるため、マシンごとのパフォーマンスが不可欠で、これにはメンテナンスも必要であり、それには追加の人員を必要とする可能性があります。
タスクを分割するには、ノードを共有ネットワークでリンクする必要があります。 レンダリング時間を短縮するためには並列化が鍵で、アムダールの法則によると、ファイル ボリュームがあまりにも多くのノード間で分散しすぎると、結果としてデータ トラフィックが発生するため、速度が低下します。つまり、50 ではなく 5 つのノードのネットワークで、より高速にレンダリングされるということです。
あなたのレンダータイプに基づいて、この式を利用することでノードの数を見積もることができます。
大きくても小さくても、レンダー ファームはノイズを発生させます。なので人里離れた場所に保管するのが最善で、冷却システムも備えている必要があります。
その環境には、ノードに十分なアンペア容量も必要です。 通常の状態 (コンセントあたり 15 ~ 20 アンペア) では、2 台のマシンだけで回路ブレーカーが損傷する可能性があります。 適切に接続するために、電気技師に相談することをお勧めします。
電気料金と追加料金は異なる場合があり、注意を怠ると、電気の超過料金が他のすべての合計よりも高くなる可能性があります。
電力コストを削減する 1 つの方法は、パワーサイクリングです。大きなアニメーションスタジオが 24 時間 365 日体制の社内レンダーファームを持っているのには理由があります。個々のノードをオン/オフを行うと、超過料金は減る可能性がありますが、ハードウェアの寿命が大幅に短くなります。
そしてCO2排出の問題もあります。 ここで二酸化炭素排出量を計算できます。
長所
短所
メリットとデメリットを考える際に最も重要なことは、社内レンダー ファームは状況によって異なり、主にコミットメントの深さによって変わるということです。 もし予備の部屋があり、データセンターが近くで、予備のハードウェアを所有していれば便利ですが、便利さは投資ではありません。経済的に負担を減らすこともできますが、時間とエネルギーを費やします。メンテナンス、人員補充、および全体的な維持管理は、まったく別の課題です。
社内レンダーファームを構築する最善の方法は、継続的な投資を行うことです。 しかし元がとれるようになるまでに期間がどれくらいかかるかはわかりません。
すべてにおいて妥協すべき点があります。 時間、お金、質です。 一般的に、レンダー ファームの場合、選択できるのは 2 つだけです。 いずれにせよ、安価ではありません。
サードパーティのレンダーファームが無料でないのはこれまでに述べた理由のためです。3D 業界の変化は、私たちの仕事への関わり方にも影響を与えています。コンテンツ作成に焦点を当てているため、レンダリングの段階で進行が滞るのも無理はありません。レンダリングは時間がかかる面倒なものなのです。
レンダー ファームのチュートリアルでは、ミハウがさまざまなサードパーティのレンダー ファーム モデルの概要を説明しており、レンダーファームのコストとレンダリング時間の見積もりについても説明しています。 現在とこれからのベンチマークを見直し、当社のようなサードパーティサービスを比較するために役立ちます。
さらに重要なのは、各モデルにどのような長所と短所があるかです。 最高のレンダーファームとは手間がかからず、進化する現代の業界でも、ネットワークレンダリングで「革新的な」側面の 1 つを担っています。
レンダリングは仮想のクラウドで行われるため、スペースや電気代のための高いコストはもはや問題ではなく、柔軟な従量課金制のモデルでは、維持費も心配いりません。さらに、Web ベースのダッシュボードを介してシーンを管理でき、ファイルをアップロードすれば、その後は御使用のワークステーションを自由に他のプロジェクトに使用でき、時間に余裕ができます。
クラウドレンダリングはサービスが自動化されており、利用可能なノードにファイルを分散するマネージャーが搭載されています。クラウドでのレンダーファームのレンタルは、ユーザーが柔軟にジョブを管理できる優先システムを提供しています。 緊急のリクエストには、時間を短縮するためにプレミアムサービスをご提供し、一方、時間に多少の余裕があれば、低い優先度を選べばコストが低くなります。 GarageFarm.NET では、レンダリングをする時にシーンの最適化と制作ワークフローを見直し、効率的にレンダリングを行えば予算と時間を節約できます。
前述のように、各レンダーファームのモデルにはそれぞれ短所があり、ネットワーク レンダリングには、フレームが使用できないという落とし穴があります。
※サービスの不明点等については、よくある質問をご覧ください。
これらの問題は、従量課金制モデルの欠点をさらに大きくする可能性があります。タスクは自動化されているため、プロジェクトをよく監視し、レンダリングが失敗したときにはジョブをすぐキャンセルすることが最善です。一番避けたいのは、無駄なフレームのためにノードを使用し、クレジットを浪費することです。
では、なぜそれでもクラウドレンダリングがいいのでしょうか。
クラウドレンダーファーム独自の利点は、 率直に言って明らかに他のソリューションよりも優れています。主な特徴は、特に社内レンダーファームを所持することより格段に手間がかからないことですが、それ以上に、質の高いサービスケアと技術サポートを常に受けることができるのは非常に大きな利点です。
ここまで読んでいただいたように、GarageFarmには、システム管理者、テクニカルサポート、開発者から構成される24 時間年中無休のサポート チームがあり、リアルタイムでいつでもコミュニケーションできるようになっています。私達のサポートチームはあなたと一緒にあなたの仕事を監視し、問題が発生するとすぐにあなたに通知します。前述したように、問題が起きた際はとにかくキャンセルして余分な料金を支払わないようにすることです。サポートチームが問題に先に気づいた際は、クレジットの浪費を防ぐために、必要に応じて介入し、こちらからレンダリングをストップします。
最終的には、社内でレンダーファームを構築するか、サードパーティのレンダーファームに委託するかを選択するかはあなた次第です。 一般的なケースをあげると、小規模なシーケンスとプレビューは社内でレンダリングし、大規模な制作や時間的制約のあるプロジェクトは外部に委託するのが良いでしょう。大規模なスタジオでは、標準的なプロジェクトには社内のレンダー ファームを利用することがよくありますが、それでも、重いシーンや準備に時間のかかるプロジェクトはサードパーティにアウトソーシングしています。
どのように進めるかはあなた次第です。 3D 業界は常に変化しています。 自分が何かをするか、何もしないかにかかわらず、私たちはそれとともに変化しています。 ケースバイケースではありますが、予想しているよりも状況が有利になることもあります。
有能でも型落ちしたハードウェアは安くなる可能性があり、オンラインレンダリングサービスの価格も今後下がる可能性があります。 新しい学習方針や方法が生まれ、クリエイティブのためのな仕事は常にあります。
重要なのは、改善するために手元のカードが充実しているということです。いらないものを省き、足りないものを補うことを常に考えてください。3D アーティストには革新していくという気持ちが必要だと思います。持っているものだけで「やりくり」していくことは難しいのです。
あなたも是非挑戦していってください。