建築ビジュアライゼーションのためにBlenderを学ぶべき?

建築ビジュアライゼーションのためにBlenderを学ぶべき?

Blenderをすでに長年使っているユーザーであれ、今からダウンロードしようとしている人であれ、もしかするとこの質問に関する議論を聞いたことがあるかもしれません。最近までBlenderは、特に建築ビジュアライゼーションで有力な3Dソフトとして提案されていますが、Redditや他のフォーラムなどではこれについてたくさんの反論があります。 スタジオへ就職するために時間とエネルギーを使って高度なプログラムを学ぶのは間違っていませんが、時代は急変しています

Blender Foundationの会長であるTon RoosendaalがSIGGRAPH REPORTでBlenderが今後どのような役割を担うかの見通しを述べているように、Blender 2.80のリリースも間近に迫り、今Blenderコミュニティに参加するプロの数が増えています。これまで以上に建築ビジュアライゼーションのためにBlenderを学んだほうが良いと言えるでしょう。ではその理由をご紹介しましょう。

ブレンダーは無料

Blender.orgは定期的に更新され、ソフトウェアへの取り組みや開発などを頻繁に行っていますが、”オープンソースの3D制作ソフトウェア”、というキャッチフレーズは決して変えず、用途を問わず、永久に無料で使用できるソフトウェアです。この方針はコミュニティの大部分に支持されていますが、一方で、新しいプログラムなどを研究している学生やプロの間では疑いを抱かせる原因にもなっています。ソフトウェアの比較・検証などに関するスレッドを開いた時、古いバージョンのBlenderを使用していたためにあまりBlederに良いレビューをしていないユーザーに出くわすこともあるでしょう。しかし、Blenderはコミュニティに熱心に耳を傾け、そしてアップデートの際には開発者たちと世界中の熟練したプロフェッショナルたちが協力して、実際の運用環境でテストし、みなさんのために最適なものにアップグレードしているのはあまり知られていません。

建築ビジュアライゼーション-Blender
マテウシュ・ヴィエルガス

もしあなたがBlenderから恩恵を受けていて自分も貢献したいと考えているのであれば、最近では開発基金に寄付できるシステムができたので、そこからBlenderに貢献することもできます。このシステムはBlenderの安定性が変わるのではと疑問視されてもいますが、Blとender開発基金のページにリストされているスポンサーを見ると信頼できることがわかります。そしてこの基金の重要なポイントは、強化してほしい補助ソフトウェアに応じて予算を自由に割り当てることができるということです。3D制作のパイプラインをより速くするために重宝するプログラムは、予算を考えるとフリーランサーにはアクセスできないことがよくあり、そのようなプロの品質を叶える3Dプログラムの一式は予算を使い果たしてしまいます。また、Designer Hacksという有益な情報をまとめた記事で紹介されていますので、こちらのチャートをご覧ください。

3Dソフト別予算

Blenderのコミュニティは活発に成長している

  • 開発者はユーザーの要望に耳を傾けている
  • アドオン、アセットなど、Blender独自のマーケット
  • たくさんのオンラインのリソース

これについては以前にも触れましたが、Blenderのコミュニティの前例にないほど速く成長しています。そしてインターネット上でどんどん増えている魅力的なブレンダーの作品だけでなく、独自の開発を行う開発者たちも増えており、Blenderにデフォルトで付属しているarchipackは言うまでもなく、建築ビジュアライゼーションのモデラーにとって画期的なアドオンもたくさん現れています。それに加えて、ChocofuriMeshh などの Blender 専用のアセット プロバイダーや、BlenderKit などのコミュニティなどの主導により、アイデアの観念化やブロッキングが非常に簡単になっています。そしてモデル、シェーダーなどを専門とする傾向のある人にとっては、別の収入源にすることも可能かもしれません。

また、私達のYouTubeチャンネル 、Facebook およびInstagramで、有名なBlenderのアーティストによる役立つヒントやライブストリームを見ることができます!

Blender には必要なものがすべて揃っている

Blenderは趣味やアマチュアだけのものではないのです。

ArtStationで検索すると、経験豊富なプロのアーティストがBlender で作成した美麗な建築レンダリングをたくさん見ることができます。Blenderですでにビジネスを構築している人には言うまでもないかもしれません。大きなスタジオなどで働く場合、Blenderを使えるアーティストとというのはそこまで重要視されないかもしれませんが、フォーラムなどで考えられているほどプロ仕様のソフトより劣るということはないのです。そしてフリーランサーの方にとってはまだまだ可能性を広げてくれるツールなのです。

ArtStationで見ることができるプロによるBlenderの作品たち:

ジョニ・メルカド
ジョニ・メルカド
ヘルミー・アルディアンシャー
ヘルミー・アルディアンシャー
クリスチャン・ヒル
クリスチャン・ヒル
アスビョルン・ペダーセン
アスビョルン・ペダーセン

ブレンダーは進化している

Blender愛好者でも、多くの開発チームがいる他の有料ソフトウェアと比較検討すると、Blenderで出来ることに限界があることは認めざる負えないでしょう。大きな問題の 1 つであった、合致性がないビューポートとインターフェイスですが、バージョン 2.8ではその利点からするとほんの些細な問題に過ぎません。ディペンデンシーグラフのオーバーホール、リアルタイムレンダリング、さらに改良されたモデリングツールとリトポロジツール、より洗練されたインスタンス化、cryptomattes など多く点で改良される予定であり、ベータビルドは完全なプロダクションを作成できるレベルの安定性に達しています。また、注目の拡張機能に、本格的な 2Dアニメーションツールとして機能するようになったグリース ペンシルがあります。ペンとタブレットがあれば、イメージを視覚化する作業とアイデア作成などで、さらに可能性と技術を強化していけるでしょう。

これらの新機能や変更によってBlenderが他のプログラムよりも優れていると言いたいわけではありませんが、美しい建築レンダリングや、熟練すればアニメーション映画を作成することも可能なのは確かです。

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まとめ

Blenderを一番に掲げて、他のオープンソースではないソフトウェアを見下したりするつもりはもちろんありませんが、業界で活躍するためには「業界標準」のソフトウェアを使用しなければならないという固定観念は壊したいと思っています。 仕事のスタイルも変化して、オンラインの仕事が増えており、ネットワークの構築は自宅から行うことができます。

もちろん最終的には、使用するツールではなく、個人それぞれの熱意や相性の問題になってきますが、Blenderは3Dアートを真に探求することができ、別のプログラムに乗り換える必要ができた際の実用的な移行方法も研究することができます。

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