次世代の3D アニメーションコンテンツに挑戦するVIVIX Studio

次世代の3D アニメーションコンテンツに挑戦するVIVIX Studio

私たちのポッドキャストで、VIVIX Studio の Ilya Mozzhukin(イリヤ・モズキン)と Ilya Kuzuk(イリヤ・クズク) を招いて、大人向けの 3D アニメーションの世界(ポルノではなく、単に子供向けのストーリーではないという意味です)について語り合う機会をいただきました。 3Dコンテンツの市場はどんどん成長していて、競争率も高まっていく中で、小さなチームがどのように挑戦し続けているのかをインタビューできるのは貴重なことです。彼らは今、業界の波に乗っていてこれからどんどん成長していくでしょう。そんな同じ名前をもつ二人がどうやってスタジオを設立することになったのか、今回は紹介します。

二人のイリヤの物語

イリヤ・モズキンが仕事を始めた頃はゲーム業界でゲーム開発に携わり、PC、モバイル、コンソール向けにキャラクターデザインとアニメーションを制作していました。その後長編映画のアニメーションに移行し、最終的には Netflix の Love Death and Robots のシーズン1のエピソードの 1 つに携わりました。 そしてその頃、モスクワを拠点とする有名なグローバル企業での勤務経験を持つ元投資銀行家のイリヤ・クズクと知り合いました。 クズクは、経済学と物理学の二重学位を取得しており、国際市場向けの VR ゲームに焦点を当てた後、長編アニメーションに移行しました。

イリヤ・モズキンが有名なアニメーションに携わり、それと同時にイリヤ・クズクと出会ったことで運命が動き出しました。そこからVIVIX が誕生し、彼らの歴史がはじまったのです。

大人が作る大人のためのアニメーション

彼らは、ロシアのいくつかの有名な動画配信のプラットフォームにいくつかのストーリーを売り込みました。そしてEV.ru と提携し、大人向けの短い 3D アニメーションの作成をすることになりました。 限られた予算で作業することで、より柔軟に制作に取り組まなければなりませんでした。 最終的にそのプラットフォームは、アニメーションをあまり多く置かないようにしてしまったのですが、数年後には3Dの短編アニメーションはさらに需要が高まり、二人のイリヤはその業界で戦っていける準備ができていました。

二人は、高品質のビデオゲームをプレイして育った 20 代と 30 代の視聴者を対象とした、説得力のあるストーリーの制作に取り組んでいます。この年齢層は、エンターテインメント市場で重要な位置を占めており、最新のゲームや映画などの成熟したストーリーと、さらに高品質のアニメーションを好みます。 この年齢層の一部でもあるクリエイターたちは、視聴者が見たいものを理解しているので、どのように制作するばいいかもわかっています。二人のイリヤもこの年齢層に属しているため、コンテンツで見たいものと、そのコンテンツをどのように作成するかについて疑問に思うこともありませんでした。

小規模 = 俊敏に動ける

彼らは最初、小さなコワーキングスペースで仕事を始めました。当時パンデミックは本格化しており、従業員を従来のようにスタジオで雇うのは大変です。 アイデアをリアルタイムで話し合えるのであれば、主に自分たちと脚本家だけが現場にいれば良いことに気づきました。優れたアーティストとスーパーバイザーが必要でしたが、街はロックダウンが実施されていて、彼らを 1 つの場所に集めることはほぼ不可能でした。しかし現代のアーティストは、仕事の大部分を自宅で行える技術やツールを持っていて、自宅での作業を好む人も多いことに彼らは気づいたのです。

彼らのスタジオはDiscord と Zoom ですべてを管理して大規模なチームを維持しており、製品の安全やメンバーの管理のために官僚主義に陥りすぎている大規模なスタジオよりも効率的に働けています。小規模な組織だと、コロナによる影響があっても柔軟にビジネスの舵を切ることができるのです。

彼らは、これからさらにリモートワークが一般化するだろうと予想しています。現場で働くことに固執しているスタジオは変化を考える必要がありそうですが、VIVIXの場合、すでにリモートベースの環境で成果を出しています。

これからのテイスト

VIVIX Studio joins the frontier of next generation’s 3D animated content

そして二人は、現在取り組んでいるプロジェクトについて詳しく教えてくれました。Artificial Detective(人工の探偵)というプロジェクトは、勢力拡大を野望に掲げる警察ロボットを中心とした12のエピソードになる予定だそうです。人間で構成されていた警察は閉鎖され、その数年後の空っぽになった都市が舞台です。

物語の舞台は、1920 年代から1930 年代にかけて流行したアールデコ様式の影響を強く受けていて、物語はとりわけ、人間の真の意味に関連するテーマを探求します。 物語の舞台となる世界には、擬人化されたキャラクター、純粋な人間、ロボットが登場し、これらのさまざまなタイプのキャラクターを使用することで、人間であることの意味の概念を探求することを目的としています。アニメーションはスタイリスティックなアプローチを目指していますが、モーション キャプチャも利用する予定です。

VIVIX Studio joins the frontier of next generation’s 3D animated content

出力に関しては、彼らのスタジオは Unreal Engine の経験が多くあるのですが、大規模なプロジェクトでは不安定なことに気づいたため、最終的には使用しないことにしました。 彼らは現在、Blender、Houdini、Maya を使用し、レンダリング エンジンとして Arnold を使用しています。

彼らはなんとかスタートアップを支援する会社から支援を得ることができ、プリプロダクション段階にあります。

VIVIX Studio joins the frontier of next generation’s 3D animated content

3D の収益性について

イリヤ・モズキンに、どのように作品から利益を得るのかと尋ねたところ、利益はシリーズ自体、IP(知的財産)、または長編アニメーションゲームとしてグッズ販売して得られると教えてくれました。 彼は、子供向けのアニメーションの多くが、アニメーションに関連するおもちゃやテーマ別アクセサリーの販売で多額の利益を上げていると言います。子供向けだけでなく大人向けコンテンツについても同じことが言えます。 Love Death and Robots は、テーマに沿った大麻を販売しているようです (もちろん、合法的に)。

それだけではありません。 3D コンテンツの最大の魅力の 1 つは、ビデオ ゲームへの適応が非常に簡単になることです。 そしてVIVIX のもう 1 つの収益経路は、印刷物にあります。制作でできたアセットを再利用することができ、新たに多くの時間を費やす必要がないのです。

旅は続く

今回はVIVIX のCEO とクリエイティブ ディレクターからお話が聞けて本当に光栄でした。言うまでもなく、私たち GarageFarm.NET は彼らを応援しており、そして彼らだけでなく、情熱をもった全ての CG アーティストの皆さんの将来をとても楽しみにしています。たくさんのスタジオが私たちのレンダー ファームに作品を送ってくれることを楽しみにしています!

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