Blenderで生計を立てるということ - 【インタビュー - Sayan Mondal】

Blenderで生計を立てるということ - 【インタビュー - Sayan Mondal】

3D アートを作ることに人生を通して情熱を燃やしていたとしても、それで生計を立てることは、気が萎えてしまうほど難しいように思えます。

そこには次のような疑問が浮かぶかもしれません。

結果を出せるのか?

フリーランサーでやっていくのか?

どうやって自分でマーケティングするのか?

始めるには遅すぎないか?

才能のあるアーティストでさえこのような疑問を抱くものですし、うまく分析できないものです。

自分の成功 (および失敗) の責任を全て負うことは怖いものなのです。

この記事では、blenderのアーティストでありblueinversion.com の創設者である Sayan Mondal に、彼のキャリアとBlenderだけで生計を立てる方法についてインタビューした内容を紹介していきます。

伝統的な人生設計を良しとする彼の母国のベンガルでは、彼のように若い年齢で独立することは容易ではありません。彼の仲間は皆、工学や医学のために大学に通っていましたが、彼にはお手本にしたいような起業家や成功例はありませんでした。 Mondal が、なぜ未知の業界に進むことにしたのか、そしてどのような技術的問題が伴ったのかについて語ってくれました。

Mondal が考察するA.I. Crypto Art、Inktober、Nodevember、 NPR レンダリングなどにもとても興味をそそられます。

Claustrophobia - cryptoart by Blue Inversion
Claustrophobia - cryptoart by Blue Inversion

Sayan Modal は、YoutubeでBlenderのチュートリアル動画を公開し、有益な情報を発信することにより若い頃からフォロワーを獲得していました。 短い尺の Blenderチュートリアルが人気でしたが、スキルを向上させるための有料級コースのような、長い尺のチュートリアルを投稿することにしました。そして現在、Blenderで車を作る方法という 4 部構成のチュートリアルは、約300,000 回再生されています。

Modalは高校初期に、動画を通して世界中の何千人もの人々のBlenderのスキルやプロジェクトに貢献していましたが、高校後期になると伝統的な進路を支持して、コミュニティを完全に放棄するところでした。

「その頃は本当に Blender で何も制作できず、視聴者やフォロワーの皆さんに、しばらく休むがいつ戻れるかわからないと伝えていました。」

Modal は、コルカタのスコティッシュ チャーチ カレッジのコンピューター サイエンス プログラムへの入学を許可されましたが、カレッジのプログラムのペースの遅さが自分に合っていないと気づいたのでした。

このプログラムはカリキュラムを教える際に、生徒の意見を聞くことから教えるボトムアップアプローチを採用しており、Mondalにとってはこの教え方は退屈なものでした。そしてBlenderのコミュニティに戻ることに必要性を感じ、最終的には大学を中退して、大きく飛躍しようと思ったのです。

Blender の大幅な改善と、それがプロにも業界で認められたことが、彼にCGの道を行く勇気を与えました。

「Simon Thomson が作った信じられないほど素晴らしいBlenderの作品を見た時、当時は Blender がそこまでサポートされていなかったので、そんな作品を作ることが可能になるとは思いもしませんでした。 しかし、今は違います。 そして私には、シェーディングと手続き型シェーダー、数学とプログラミングの知識があり、それを活かせる可能性があることに気付きました。 そこで、これはもう全て学んでいくしかないと思ったのです。」

現在、Mondal は自分の CG制作会社 Blue Inversion の経営に取り組んでいます。 将来チームを設立することになった時のために、自分と分けておくために会社に Blue Inversion と名付けることにしました。 彼は自分の会社を通じてシェーダーを販売しており、YouTube ではコースを無料で提供して、間接的かつターゲットを絞ったマーケティング戦略を実施したいと考えています。

Mondal は会社とは別に、今盛り上がっている CryptoArt 市場でも利益を得れるよう計画を立てています。 CryptoArtの作品はデジタルアートワークであり、各作品にその真正性を証明するための代替不可能なトークンが関連付けられているため、「レア」と呼ばれることもあります。Mondal は、彼のアートを Rarible で販売しようと考えており、認証された3D アーティストとして登録されています。 アート、アニメーション、ミュージック ビデオを作成して、Rarible ギャラリーにアップロードする予定です。

会社を設立し、新たにCryptoArt 市場で活動することでMondal は若くして成功できると思いますが、これは彼の成功法であり、あなたが彼の真似ができないと思っても、CG業界での独立をあきらめる必要はありません。

Mondalは、人にはそれぞれの才能があり、それを生かして成功できると強く信じています。 彼は、時間を有効に使うよう若い 3D アーティスト達にアドバイスしており、年上の 3D アーティストには、彼らの専門知識を活用し、それをこれから登場する新しいテクノロジーに適用させることを推奨しています。

Nodevember や Inktober など、毎年恒例のCG コミュニティでのチャレンジは、あらゆるレベルや年齢の 3D アーティストがお互いに切磋琢磨し、コミュニケーションを広げながらスキルを向上させることができる素晴らしいチャンスです。 Mondalの場合、大学時代にSimon ThomsonのようにInktoberに挑戦していました。Thomson の作品は、 Mondal のシェーダーに対する眠っていた情熱を目覚めさせました。

Mondal はBlender ユーザーに役立つシェーダー製品を作成したいと強く思っており、それにより3D アーティストが NPR やアニメーションを作成するために取り組まなければならない問題を解消したいと考えています。

CG コミュニティの未来について考察してみると、今AIがたくさんの不安の種を作り出しています。しかし、Mondal は CG コミュニティにおいて AI に多くの可能性を見出しています。

「... AIに怯えるのではなく、むしろAIのおかげでそのうち誰しもが映画を個人で作成できるようになり、仕事の質が向上すると思います。 大規模なスタジオだけが映画を作るのではなく、個人でも映画を作れるようになり、映画市場全体がさらに大きく開かれていくでしょう。それはとても興味深いことだと思います。」

Mondal が自身で感じたように、Blender アーティストとして生計を立てるのは難しいように思えるかもしれません。 しかし、オンラインでの CG コミュニティが成長し、Blender アーティストたちが企業して、さらに簡単で信頼性の高い Blender のレンダー ファームにもアクセスが簡単になったので、ユーザーはこれまで以上に制作に時間を使うことができ、プロの 3D アーティストとして生計を立てることも遠い夢ではなくなったのです。

この記事は  ポッドキャストのCG Talksを基に作成されました。もっと知りたい方は、こちらからインタビュー全体の内容を聞くことができます。

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