スクリーンに囲まれるという体験を提供する

スクリーンに囲まれるという体験を提供する

京都を拠点とするCGスタジオ、株式会社DARUMAは、360度のスクリーンを使用して3D体験をデザインするという、ユニークで他にはない体験を提供しています

テレビ、ノートパソコン、携帯電話などの普段使用している画面に合わせて3Dグラフィックスをデザインするだけでも、非常に困難です。ましてや、人間より2 倍も大きいサイズのスクリーンやギャラリーに使用されるような曲がったスクリーン、または球形のスクリーンなどに3Dをデザインするとなると、どれほど難しいかは想像できます。そしてCG制作スタジオ、株式会社DARUMAの一日のワークスケジュールを知れば、3D アーティストならその大変さが容易に想像できるでしょう。

株式会社DARUMAは大画面のグラフィックだけをデザインしているわけではありません。 2Dアニメーションから製品展示のビジュアル、折り紙のアニメーションまで、あらゆる種類のCG制作を行っています。

しかし、私達のレンダーファームを使用して制作されたプロジェクトの中でも特に際立っているのは、やはり株式会社DARUMAの360度スクリーンの作品です。私たちGarageFarmのようなレンダーファームからすると、素晴らしいビジュアルのデザインを目にすることはあっても、ビジュアルを超越した没入型の体験を生み出すような作品に出会うことはめったにありません。

テレビ、PC、またはスマホの画面用に作られたビジュアルは、視聴者の視点が固定されます。視聴者は通常、2次元のスクリーンの正面にいますが、もしスクリーンが視聴者の目の高さよりも上にあったり、視聴者の周囲を囲んでいる場合 (もしくは目線より下にあったら) どうなるでしょうか? DARUMAのアーティストたちは、ビジュアルを画面上にただ表示させるだけでなく、画面に対してさまざまな位置にいる視聴者たちにビジュアルがどのように表示されるかを考察し、すべての視聴者に対してビジュアルが効率的に表示されるよう考える必要があります。

そしてこれには、別のレベルの複雑さがあります。大規模な没入型スクリーンのビジュアルを扱う場合、事前の試写だけではわからないことが多いのです。 ビジュアルが100%機能するかどうかは、実際の画面で表示してみて初めてわかります。 「VR試写ではわからないことが多く、予測や確認が十分にできないことがたくさんあります。 毎回、実際の現場で作品を見て修正できたら一番良いなと思いますし、そこをどう今後改善していくかが課題です。」と、株式会社DARUMAの代表・西正子さんは語ってくれました。

もうすでに十分複雑な仕事のように聞こえるかもしれませんが、DARUMAが没入型の映像を作成する際によく直面する課題が、もう1つあります。それは解像度です。大画面に表示するということは超高解像度を必要とするということで、超高解像度には長いレンダリング時間が必要になるということです。

DARUMAの作品の解像度はどれくらいでしょうか? なんと8Kです。自分のPCで8Kビジュアルをもしレンダリングしたら…考えるまでもありませんね。DARUMAももちろん言うまでもなく、クラウド レンダーファームのサービスを利用しています。

ドバイ万博の日本館のプロジェクトで、DARUMAはGarageFarmでレンダリングを行いました。「8Kもしくはそれ以上の大きさだったのでローカルでのレンダリングはあまり選択肢にありませんでした。24時間では決して終わらない物だったと思います。」と 西さんはおっしゃいます。

このプロジェクトは、DARUMAにとって特に困難なものでした。 日本館のコンセプトは、地球と都市の未来を体験するというもので、このプロジェクトではフォトリアルな森や水中のシーン、未来の都市など10,000ピクセルの出力が必要でした。 「水や動物の見栄えはもちろんのこと、不自然に見えないよう、かつ体験者の目線が誘導できるような構成を意識しました。」と西さんは語ってくれました。

そしてもう 1 つのチャレンジであったプロジェクトは、東京オリンピックでENEOS提供の、360度没入体験の映像作品です。監督からDARUMAへのオーダーは、お客さんが小人になって、水素エネルギーを利用した宇宙船でアスリートの競技風景を体験するというもので、素晴らしいアイデアです。考えるのは楽しいかもしれませんが、やってのけるのは地獄でしょう。 「なるべく不自然にならないようにと難問ばかりの制作でした。結果として本当に体が縮んで、空を舞って、しかもスポーツ観戦してるような信じられない体験が作れたと思います。」と西さんは語ってくれました。

DARUMA x GarageFarm

このような大規模で複雑なプロジェクトでは、レンダリングはさらに大きな課題になります。レンダリングはビジュアルの最終的な見た目に影響するだけでなく、巨大なファイルのレンダリング速度と時間は、プロジェクトの納期にとって大きな課題です。そこでDARUMAはGarageFarmを利用することにしました。

西さんがGarageFarmを知ったのは、DARUMAのフリーランサーの 1 人が西さんにおすすめした時でした。そのフリーランサーの方は以前、個人的なプロジェクトでGarageFarmを使用してくださっていたようです。西さんは偶然GarageFarmに出会い、そして引き続きGarageFarmでレンダリングすることを決めてくださいました。

西さんがGarageFarmで良いと感じたものの 1 つは、ソフトウェアとの互換性です。 以前他のレンダー ファームを使用した際は、使用できないソフトウェアやプラグインに数多くあったそうです。しかしGarageFarmは違い、 「UI含めてとても使いやすくスムーズで、特に制約のない環境でレンダリングできました」と 西さんはおっしゃっています。

Surround screen savants
2021年ドバイ万博の日本館

GarageFarmの24 時間年中無休のサポートチームは、多くの方から当社の強みとして親しんでいただいていますが、それに加え、西さんは当社の別の強みを挙げてくれました。それは、さまざまな言語に対応していることです。 「対応言語が多く、オフィスもたくさんあるようだったので安心して使えたのも正直なところです。」と西さんはおしゃってくれました。DARUMAは世界中の多くのアーティストと協力しており、特にチームで解決すべき問題がある際は、さまざまな言語で対応してくれるサポートがあれば、課題をスムーズに進めることができます。

「私ではなく担当スタッフが直接やりとりをしてくれたのですが、

対応する言葉のバリエーションの多さ、フィードバックの早さがすごく良かったです。とても助かりました。」と西さんにおっしゃっていただきました。

GarageFarmでのレンダリングで西さんが気に入ったもう 1 つのポイントは、料金設定ボリュームディスカウントです。 「大型作品を多く扱うため、ボリュームディスカウントがあるのは相対的に良い選択だと感じました。長く使っていくうちに単価が下がっていくので、良い価格帯だと思います。」とおっしゃっていただきました。

Surround screen savants
2021年ドバイ万博の日本館

DARUMAの代表取締役である西さんは、ビジネスが健全に回るように、コストにはもちろん注意を払っています。彼女は、GarageFarmでプロジェクトをレンダリングすることが、費用対効果の高い方法であるということを発見したのです。 また、問題 (レンダリング時に必然的に発生する問題)が発生した場合の、私達の対応にも好評価をくださいました。「サポートの方に相談して、問題があった箇所はポイントの還元をしていただき、無駄にならなかったのは助かりました。結果として予算内で全て作品が出来上がることにつながりました。」と西さんはおっしゃいます。

DARUMAの未来

現在進行中のプロジェクトとは別に、西さんはエキサイティングなアニメーションのプロジェクトに携わっています。 彼女が私たちに教えてくれたのは、「リアルとデジタルを行き来する体験を組み込んだ作品」であるということだけです。 聞いただけで好奇心がそそられますね。DARUMAがどのような作品を作るのか、驚くべきものになることは間違いなさそうです。

そして西さんが気になっている他の分野は、3D印刷技術、AI、および NFT です。 「ユーザーとクリエイターの距離がどんどん近づく時代になると感じており、今後も楽しみです。」と西さんはおっしゃっています。私たちも楽しみです。

ちなみにDARUMAは 3ds Max、V-ray、Unity Unreal Engine などのソフトウェアを使用して制作しているそうです。

株式会社DARUMAの作品について詳しく知りたい方は、Instagram @darumajpstudio を是非ご確認ください。

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