株式会社IDENCEは、東京を拠点とする映像および3DCG制作スタジオで、いくつもの素晴らしい制作に多面的に取り組んできました。 この記事では、IDENCEの起源と業界をリードするような広告や映像プロジェクトを制作するために、どのように高度な専門知識のあるクリエイターチームを構築したかについてIDENCEのメンバーである加藤陸さんにお話を伺いました。 今回のプロジェクトはCinema 4Dでレンダーファームを使用していただきました。
加藤陸さんは、IDENCEで映像制作を行う3DCGクリエーター/ディレクターです。 多くの人がMinecraftを愛するように加藤さんも幼い頃からMinecraftに情熱を傾け、そこで培ったデザインへの興味を通じてコンピューターグラフィックスでのキャリアの扉を開きました。
「今は3DCGをメインに仕事をしていますが、僕のルーツは0歳の時にかってもらったレゴブロックにあります。物心つく前からものづくりをしていたようです。12歳の時にデジタル版のブロックゲーム、マインクラフトに出会いました。コツコツと長時間かけて大きな建造物を作っていくのが好きで、高校時代には世界遺産の軍艦島を再現したことが話題になりました。その時、テレビ出演やマインクラフト公式のイベントにも取り上げられました。」
そして鹿児島を離れ慶應義塾大学に進学し、より大きな3DCGの世界に触れ始めた加藤さんは、3Dへの情熱は失われることなく輝き続けたと言います。 これがIDENCE Co.の基礎を築きました。
大学では制作をともに行う多くの仲間に出会うことができ、友人の勧めで3DCGを始めるようになりました。現実世界の光の挙動をデジタルな空間内に持ち込みながら、自分で好きなように空間を制御できる自由度の高さと表現の可能性に魅せられました。
「大学では制作をともに行う多くの仲間に出会うことができ、友人の勧めで3DCGを始めるようになりました。現実世界の光の挙動をデジタルな空間内に持ち込みながら、自分で好きなように空間を制御できる自由度の高さと表現の可能性に魅せられました。そして、現在の当社のCEOが大学にいたとき大学内でサークルを立ち上げ、コンピュータグラフィックスに情熱を持つ人々が集まり、現在一緒に制作を行なっています。」
IDENCE Co., Ltd. は、慶應義塾大学で加藤さんが出会った友人グループと一緒に立ち上げられ、すぐにフルサービスを提供するプロダクションスタジオになりました。 さまざまな専門分野を持つクリエイターたちが東京の小さなオフィスに集まり、質の高い作品を制作するためにアイデアや知識を交換し始めました。
「私たちの強みは、メンバーが一緒になって、撮影、3D / CG、アニメーション、音楽、サウンドエフェクト、イラスト、プランニング、ファッション、デザインなど、制作に必要なすべての専門スキルを持っていることです。企画から最終制作まで一貫してすべて社内で行うことができます。」
加藤さんはまた、IDENCEはクライアントと直接協力することで成長できていると言います。 日本のほとんどの映像制作環境は広告代理店経由で制作され、大規模なプロジェクトの制作には優れているものの、制作側が多くのリソースを消費する構造になっています。 IDENCEはクライアントと直接連携し、精神的および肉体的に消費されることなく、高品質のプロジェクトを適切な予算で制作できるようにしています。
実際の物質世界からインスピレーションを得て作品を作ることは、信頼のおけるものづくりに繋がり、インスピレーションを与える作品を作ることもできるとても良い方法の一つであり、IDENCEはまさにそれを実践しています。
「小さな頃からレゴブロックで歯車を使った機構をよく作っていたことから始まり、からくり機構も私の大きな関心分野の一つです。からくり機構を使った新しいプロダクトを考案するのが好きで、2021年に制作した地球儀針時計は私の代表作の1つです。
加藤さんはまた、チームが業界の既存の手法や表現の一歩先に向かうためには、日々の研究が欠かせないと言います。 少人数ながら週に一回は自社内でディスカッションに集まり、新規表現の追求や、既存手法の体系化、分野を横断した意見交換を行う日を設けています。
IDENCEのポートフォリオを拝見すると、彼らが幅広いプロジェクトに取り組んでいることがわかります。 最近のプロジェクトでは、マーダーミステリーという謎解きを実際に集まって行うゲームを、6つのアニメーションで作成することにより、統合された視覚体験をユーザーに提供するというものでした。日本で最初のプロジェクターを使って演出を行うマーダーミステリーの店舗を作れないかというクライアントの希望に、IDENCEは向き合いました。
「私たちが使用したツールはCinema4Dです。このプロジェクトは業界にもインパクトを与える店舗になるということで、スピード感を持った進行を行うことが求められていました。
我々は空間の設計・施工・映像制作まで一括で担当したのですが、制作物において何よりも特徴的だったのが、このスクリーンが6つの独立したプロジェクターによって投影されているということです。スクリーンの配置が立体的であるため、それを活かした映像を作っています。例えば、煉瓦作りの壁はスクリーンに正対して配置するため、スクリーンの位置に壁があるように感じられます。一方それに続くシーンでは、カメラの配置を調節して、奥行きのある広々とした空間に連れていきます。それによって平面映像では難しい、狭いところから広いところへ行ったような体験者の感覚を生み出すことができました。
また、初めてきたお客さんを惹き込むため、特にOPの映像に力を注ぎました。1分半のフルCGの映像を作りましたが、6つのプロジェクターに写すため、6つそれぞれにレンダリングする必要があり、通常の6倍のレンダリングコストがかかる計算になります。」
プロジェクトのレンダリングは大規模になるため、チームは最終的な映像をレンダリングするためにレンダーファームを使用することを選択しました。 加藤さんは、GarageFarmを使用して最終的なアニメーションをレンダリングした経験について少し話してくれました。
「プロジェクトをクライアントに最終的に納品する直前にレンダリングサービスを使用しました。納品の数日前にもう一段階クオリティを上げようとしましたが、使用していたPCではレンダリングが間に合いませんでした。
時間も差し迫っている中での作業で、ガレージファームの使用も初めてでしたが、導入の簡単さに驚きました。煩雑な準備をすることを想定していたが、プラグインのインストールのみで、操作もWEB上で完結したためです。
また、サポートもとても強力でした。チャットは迅速な対応をしていただき、無事期日内に納品することができました。
チャットメッセージに迅速に対応し、安全な期限内にプロジェクトを納品することができました。これは使用した後に気づいたことですが、いつでもガレージファームさんのレンダリングを行えることが前提にあると、制作案件を進めていく中で、レンダリング前に心のゆとりができました。」
IDENCEの今後の計画について加藤さんに尋ねたところ、テクノロジーと芸術的な表現を取り入れることで、スタジオとして業界の風習にとらわれない働き方の実現や、個性を活かした制作づくりができるようにしていきたいとのことでした。また、ビデオやデザインだけにとどまらず、チームの幅広い能力と興味を活用した誰かの役に立つサービスを生み出し続けて行きたいと語ってくれました。
「これからも技術による制約なく、お客様に本当に最適な表現方法を一社完結でご提案できるよう、引き続き技術と表現の探求に励みたいと考えています。また、個性豊かなメンバーが引き続き楽しく制作に打ち込めるよう、業界の風習にとらわれない働き方の実現を目指していきます。
そしてCG業界では、メタバース独自の空間構成や身体論から再構築された、CG手法・ツール・表現がこれからさらに形成されていくことに期待をしています。」
加藤さんにはお時間をいただきありがとうございました! IDENCEの詳細については、Twitter(@land_ineraf37)、もしくはWebサイト(https://idence.jp)でコンタクトいただけます。