このシリーズでは、以前にレンダー ファームとは何かについて紹介したように、レンダー ファームの特徴とそれらの利点にてついて詳しく説明します。 時間を操作してレンダリング時間をカットできればもちろんいう事はありませんが、そういった技術が可能になる未来まで、締め切りに間に合わせるためにクラウドでレンダリングサーバーを使用するのがいいでしょう。
約270 年前にベンジャミン・フランクリンが言った「時は金なり」はこれまでに何度も (Googleによると 1 億 8,100 万回以上) 引用されてきたフレーズです。これはまさにレンダリングに関して言えることです。ビジネスでは時間とお金が密接に関係していることが多いため、レンダー ファームを使用した費用対効果の高いソリューションについても説明します。
クリエーターは、自分たちの作品を限られた時間内でできる限り良いものにしたいと当然思っています。物を見るために光が必要なのと同じように、自分の作品が評価されるために視覚的に魅力的である必要があります。そして特に、シーンの照明に注意を払わないと、魅力に欠けた照明の乏しいビジュアルになる可能性があります。 光子とデジタル光子は多くの方向に反射する傾向があり、各光線の起点と終点を決定するために複雑な計算を実行する必要があるため、光を扱うのは難しいです。光の跳ね返りを計算する一般的な方法は、レイ トレーシングとして知られています。
光の跳ね返りも問題の 1 つですが、光が正確に何を跳ね返すかを考えると、コンピュータがオブジェクトの表面のテクスチャだけでなく、反射率、半透明度、透明度などのさまざまな属性を処理しなければならないことが、わかります。
シーンの照明を調整して、より滑らかで洗練された視覚的外観を作成するために、特定の場所に戦略的にライトを配置し、過度に明るいスポットができることを避けるためにライトの強度を調整し、90 年代の 3D ビデオゲームを連想させるような、ひどい外観の影を滑らかにする必要があります。これらの影を改善するために、アンビエントオクルージョンを慎重にセットアップして組み込んだ場合、照明調整の複雑さに応じて、レンダリング時間がフレームあたりわずか数秒から数分または数時間に増加する可能性があります。
レンダリング時間に大きく影響を与える別の要因である、ハイポリカウントについて説明しましょう。ハイポリは、フォトリアリスティックな画像を作成する場合に不可欠です。実際のゲーム内のジオメトリを比較的シンプルかつ効率的に保ちながら、ゲーム開発者がビデオ ゲームで非常に詳細なジオメトリの錯覚を作成するために、該当のオブジェクトまたは環境のハイポリバージョンを作成し、このハイポリバージョンを使用して一連の「転送マップ」を作成し、非常に詳細なジオメトリを偽造します。 技術が進歩するにつれて、転送マップの作成に使用される非常に詳細なハイポリジオメトリと、実際のゲームプレイで使用される大幅にローポリなジオメトリとの複雑で必要なギャップは急速に縮小しています。
それぞれのコンピューターのハードウェアでは、レンダリング専用のリソースが限られています。そのため、レンダリングをできるだけ早く完了させたい場合は、レンダリング中はコンピューターを使用しないことをお勧めします。 長時間のレンダリング時間は、すべての 3Dアーティストにとって問題です。それが趣味での制作や学生でも、自社内にレンダーファームを持つ Lucasfilm、Disney、Pixar などの数十億ドル規模の企業であろうと、問題なのです。
ディズニーは高品質の映画を年間ベースで定期的にリリースしており、これはレンダー ファームが自社内に設置されていなければ不可能です。 1年に約5本の映画を公開しており、それぞれの長さが 2 時間前後になります。
これらの映画に使用されているレンダリング、特にフォトリアリルなCGIは息を呑むほどのクオリティです。 Forbesによると、ディズニーはなんと 1,693 億ドル (1,373 億ポンド) の価値があるとされ、高品質のレンダリング技術に投資できるのもうなずけます。
さて、単に時間を節約するだけでなく、GarageFarm.NET などの高品質のレンダーファームを使用してレンダリングサーバーにアクセスできれば、高価なハードウェアを購入したり手間を省くことができます。
資金に余裕のある企業であれば、レンダーファームを自社内に設置することもできるでしょうが、常に優れたハードウェアを保持することは難しく、技術開発の速度に伴い、新しいハードウェアでも 2 年以内にかなり時代遅れになります。そうしたことから見ても、レンダーファームはすべてのクリエイティブ事業に便利なサービスです。
グラフィックス カードにおける能力の進化速度に注目してみると、2016 年 5 月 27 日にリリースされた NVIDIA の GeForce GTX 1080 は、2017 年 3 月初旬にリリースされた、姉妹品のGeForce GTX 1080 Ti にすでに追い抜かれようとしています。9 か月間の間にわずか数日で新しいバージョンが追いついたことになります。
レンダー ファームの使用を検討するとき、最初に考えるのは当然「いくらかかるか」だと思います。苦労して稼いだお金を使うのですから当然ためらうと思います。しかし実際に作業を短縮することで、時間だけでなく最終的にはコストの削減にもつながるのです。
特にゲーム用 PC の場合、圧倒的な電力消費は深刻な問題です。 お使いのコンピューターが高性能になればなるほど、レンダリング時に消費する電力が増えます。 どのレベルのエネルギー消費でも熱の増加は避けられないため、コンピューターのファンは、システムが過熱しないようにさらに激しく働かなければなりません。
自分のコンピューターの能力を時間のかかるレンダリングに専念させることで、他のことに影響を及ぼす可能性もあります。 シーンが複雑になるほど、レンダリングを常にチェックしなければならないでしょう。そしてそれは、家族や友人と過ごしたり、他のプロジェクトに取り組んだり、好きなことしてくつろいだりする時間が失われることを意味します。
プロジェクトの設計、モデリング、テクスチャリング、ライティングに数か月または数年を費やした後、ようやくレンダリングの段階に到達する時、肩の荷が軽くなったように感じるはずです。しかしそこからまた、レンダリングを何日、何週間もかけて問題なく出力必要があります。レンダリングを定期的にチェックしないと、せっかくの作品も台無しになってしまう可能性があるため、あなたとコンピューターは時間とエネルギーをさらに浪費するでしょう。
シーンが複雑になればなるほど、レンダリングで何かしらの問題が発生する可能性が高くなり、それにより新たな問題が生まれたり、締め切りに間に合わせることが危なくなる可能性も出てきます。
このような問題は、別々の場所で作業している場合など、ファイル転送またはコンピューターの変更で、テクスチャ データと元のファイルの間のリンクが壊れているという単純なものである場合もあります。シーンが複雑になればなるほど、レンダリングで何かしらの問題が発生する可能性が高くなり、それにより新たな問題が生まれる可能性も出てきます。 特に、誰にもアドバイスを受けずに一人で作業している場合はなおさらです。しかしガレージファームでレンダリングする場合、私たちがあなたのレンダリングを常に観察します。わからないことがあった場合でも、24 時間年中無休のテクニカル サポートに相談できます。 私たちのサポートチームは経験豊富なシステム管理の専門家、ソフトウェア開発者、技術者から構成されており、24 時間年中無休で対応できるようにしています。
3 年に渡るプロジェクトをガレージファームでレンダリングしてみました。そして、レンダー ファームを使用することでどれだけの時間を節約できるか、正確なデータを得るこれまでのレンダリングの領収書を集めて計算してみました。以下で紹介する結果はずいぶん前のものなので、現在では対応するソフトウェアとハードウェアは確実に改善されており、節約できる時間も今ではさらに増えていることをまずお伝えしておきます。
当時、私はIronのキャラクターと 1 台のタブレット コンピュータにフィーチャーした短いシーンをレンダリングしました。 このシーンには他の物や風景はありませんでしたが、背景は個別にレンダリングされ、シーケンスのどの部分でも床は見えないようになっていました。 これは「Elements Academy」というアニメーションの理科室の外のシーンで、他のシーンよりも複雑ではないため、レンダリングに必要な計算能力が少なくて済みました。また、アニメーションの20 秒の 2Dインフォグラフィックのシーンは、他のシーンよりもハードウェアの負荷が低かったです。
私のコンピューターで 1920 x 1080 のアスペクト比でレンダリングすると、この小さなシーンのフレームあたりのレンダリング時間は平均 1 分になり、結構早いレンダリング時間です。 フッテージの部分は 9 秒の長さで、25 fps で実行されます。 私のコンピューターでは、225 フレームすべてをレンダリングするのに 3 時間 45 分かかります。 しかしこれはただの見積りです。
1 分 18 秒の理科室の映像を 25 fps でレンダリングするには、1 フレームあたり約 4 分 40 秒かかり、Ironとタブレットのシーンのレンダリング時間を追加すると、わずか 78 秒のアニメーションは私のPCひとつだと、155 時間以上ノンストップでレンダリングすることになります。 フリーランサーとしては、このようなとても短くシンプルなレンダリング時間が非常に長くなります。そしておそらく最も複雑な面は、キャラクターがビニールのおもちゃのようにテクスチャリングされていることです。
PCで155 時間でできることはたくさんあります。特に、1 人でゼロから 3D アニメーションの短編を作成するなど、時間がかかり、精神的に負担のかかる作業を行う場合はなおさらです。なので私は3D モデリングとグラフィック デザインに専念していました。 そしていつかインフォグラフィックスの作成に戻りたいと思っています。
私は 2016 年 5 月 9 日の午前 0 時、締め切りの前日に、ガレージファームで優先度”高”を使用してIron のタブレットのシーンをレンダリングしました。 所要時間はわずか 29 分で、料金は 6 ドル未満でした。 その後、2017 年 3 月の時点では、ガレージファームの見積り算機によると、このレンダリングは推定 5 分半に短縮され、高優先度でもわずか 2 ドルの費用になっていました。 このような短いレンダリングでも、自分でレンダリングするより 41 倍高速です。
Elements Academy の教室シーンの 1950 フレームすべてをガレージファームでレンダリングすると、最短で 55 分 (80 ノード)、最大で 3 時間 39 分 (20 ノード) でした。 すべてを優先度”高”でレンダリングすると 113 ドル (90 ポンド) かかりますが、急いでいない場合はわずか 28 ドル (22.27 ポンド) ですべてをレンダリングできます。 ガレージファームでのレンダリング 費用の詳細については、こちらの料金ページをご覧ください。
私のキャラクターに 1 分ほどの声優を付けるだけで 200 ポンド近くの価格がかかることを考えると、レンダリングの高速化が113 ドルでできるのは素晴らしいです。 さらに優先度によっては、自分でレンダリングした場合よりも 42 ~ 165 倍速くレンダリングできます。 このようにして私は6日間節約することができました。 ガレージファーム がクラウドレンダリングサービスを誇りをもって提供していることが理解できました。
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Danny Rollings
@drollingscaa