建築ビジュアライゼーション業界は常に進化しており、企業やアーティストは常にリアリズムを追求してクライアントに感動を与えています。その中で、サイモン・ハウエルズは違った切り口でアプローチしています。最新のツールやトレンドを追い求めるのではなく、サイモンはクオリティを優先し、協力してくれる人たちに感動を与えるような素晴らしいレンダリングを制作しているのです。
しかし、クライアントからの変更やバリエーションの要求によりレンダリング時間が長くなると、クオリティを重視することが難しくなります。今回は、サイモンのビジュアライゼーションへの取り組みと、大きなプロジェクトで納期を守りつつ、難しいレンダリングに対応するためのレンダーファームの使い方についてご紹介します。
サイモンはオーストラリアのシドニーを拠点とするフリーランスのアーティストで、妻のカレンと愛犬ロスコと暮らしています。現在、彼は建築や製品のビジュアライゼーションを制作しています。サイモンはロンドンで家具職人としてキャリアをスタートさせましたが、自身のデザインをビジュアル化することに興味を持ち、ビジュアライゼーションの道を志すようになりました。2009年にハートフォードシャー大学で3Dデジタル・アニメーションの修士号を取得した後、この道を歩むことを決意しました。
「[大学卒業後] ロンドンのRandom42という医療アニメーションの会社に就職し、5年間勤めました。それ以来、建築ビジュアライゼーションを中心に、インテリアデザインをベースにしたプロダクト・ビジュアライゼーションも手がけるようになりました。」
2019年12月、サイモンは独立して仕事を始めました。しかしその数カ月後、コロナによるロックダウンが始まり、彼のプロジェクトの多くがキャンセルされたのです。彼は、この経験はとても辛かったが、自信にもつながったと語っています。
「コロナのロックダウンが始まると、それまで決まっていた仕事はすべてなくなり、私と妻は生活費を稼ぐのに苦労しました。妻の稼ぐ週給40オーストラリアドルでなんとか凌ぎ、数人の信頼できるクライアントのおかげで私たちは生き延びることができました。非常に困難でしたが、この経験を乗り越えたことで、安定した給料を犠牲にしてでも、独立することに価値があるということを確信し、自信がつきました。」
サイモンは普段、自分のPCで作品をレンダリングしていますが、納期やプロジェクトの要件により強力なソリューションが必要な場合は、GarageFarmのクラウドレンダリングサービスを利用しています。
「普段は、レンダリングのパワーは充分に備えています。私はフリーランスのアーティストなので、日中に作業し、夜にレンダリングできます。しかしバリエーションが多いプロジェクトや、締め切りが厳しいプロジェクトでは、GarageFarmを使います。初めてGarageFarmを使ったのは、色のバリエーションが多い仕事でした。」
GarageFarmを利用する前、サイモンは他のオンラインレンダリングサービスを試してみましたが、サポートやレンダリング品質が満足できるものではありませんでした。サイモンのようなフリーランスのアーティストにとって、スムーズなレンダリングプロセスと充実したサポートは、高品質の作品をクライアントに提供するために欠かせないのです。
「GarageFarmのテクニカルサポートは非常に優れています。私は3Dの仕事を長くやっているので、シーンのことは熟知しています。なので問題が発生したときは、私の見落としか技術的な不具合が原因であることが多いです。まれに問題が発生したときも、サポートチームは豊富な知識で私のミスを特定してくれたり、技術的な問題を迅速に解決してくれました。」
「最初はRebus Farmを使いましたが、まずまずで、あまり良くはありませんでした。その後、私のシーンは彼らのファームでレンダリングできなくなりました。彼らのサポートと何日も話しましたが、彼らは私の側に問題があると思い込んでいました。結局、彼らは問題を解決することなく、応答を止めました。仕事を完成させるために必死になって他の選択肢を探し、まずGarageFarmを試しました。それ以来、もう他社は利用していません。」
サイモンがキャメロンデザインハウスのために手がけたプロジェクトは、彼のようなアーティストにとってレンダーファームがいかに重要であるかを示しています。サイモンは、キャメロンの新しいスカルプチャーライトのビジュアライゼーションと製品レンダリングを作成しなければなりませんでした。このため、彼は複数の作品を素早く制作し、製品の3つのカラーバリエーションをそれぞれアニメーションにする必要があったのです。
「クライアントは、マーケティングやウェブサイトで使用するために、製品のオンとオフの両方を、全てのカラーでリアルに表現したいと希望していました。」
サイモンによれば、312フレームのアニメーションをローカルでレンダリングするのに約580時間かかる見込みだったそうです。それがGarageFarmのサーバーでは14時間で完了しました。
サイモンはこのプロジェクトで3ds MaxとCoronaレンダラーを使用しました。このプロジェクトでは、フォトリアリズムが必要であり、手吹きガラスの複雑な効果や彫刻内の光の屈折を処理する必要があったため、最初からクラウドレンダーサービスを使用することを決めていました。
「ぼやけた屈折と表面散乱によって、レンダリング時間が非常に長くなり、複数のバリエーションやアニメーションを作成するには不向きでした。レンダーファームの使用は必要でしたが、それでも予算内に収めるために、レンダリング時間とレンダリングノイズのバランスを取る必要がありました。」
屈折サーフェスは、ノイズが多く発生するため、レンダリングが非常に困難です。このようなサーフェスを使用するプロジェクトでは、レンダーファームを使用することで、レンダリングを完成させることができます。
サイモンは、設計業界の新しいトレンドを慌てて取り入れることはしません。しかし、継続的なレンダリングツールの進化は、彼の作品を素早く完成させるのに役立っています。CoronaやV-rayのようなツールは、今や彼のワークフローに欠かせないものとなっています。
「私は普段、最新のトレンドには無頓着ですが、ここ数年のCoronaとVRによるインタラクティブなレンダリングの進歩のおかげで、私のワークフローは大きく改善されました。」
サイモンは現在、シドニー近郊で数多くの大きな建築プロジェクトに携わっており、仕事を続けながら、もうひとつの情熱である家具作りの時間も増やしたいと考えています。
是非、サイモンのインスタグラム@simonphowellsをフォローし、彼のウェブサイトsimonphowells.comで彼の作品をご覧ください。
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