Beepleの革命的なNFTがオークションサイトChristie's でデビューしてから数か月後、3D アーティストやコンテンツクリエーターの間で着実にNFTへの関心が高まっています。一部のスタジオは、ほぼ完全に NFT作成へ移行していっています。より持続可能なブロックチェーンへと移行していく中、意欲的なアーティストのための新しいNFT プラットフォームが出現しています。 最初は有名人や影響力を持つ人々だけに利益をもたらすように見えたNFTは、今ではアーティストやスタジオが彼らの努力で利益を上げれる手段になってきているようです。
ビクターはそんなアーティストの 1 人であり、私たちはこれまでに何度もディスカッションやコラボレーションをしてきました。今回、NFTアートという新しいデジタルの分野について話し合うために、今回の記事に協力してくれました。
ビクターはスペインのバルセロナ出身の3D アーティストです。 彼は機械工学のキャリアからスタートしましたが、常にデジタルアートに魅了されていました。ものづくりに対する情熱から、3D建築ビジュアライゼーションと、イベント用スペースのモックアップをメインにしたフリーランスの仕事を始めるようになりました。
世間がNFTなどのクリプトアートに目を向けるようになる少し前に、彼はMakersPlaceから連絡を受け、彼の作品のいくつかをミントしてNFTアートとして販売するよう招待されました。これは現在では主流になっているNFTアートの先駆けでした。
MakersPlace は、さまざまな背景を持つプロのデジタルアーティストの名簿を集めた最も初期のNFT プラットフォームの1つです。 2018年のローンチ以来指数関数的に成長し、2020 年の取引額は約 60,000 ドルに達しています。
ビクターのようにプラットフォームで販売しているアーティストは、質の高い作品を限定した数だけ制作しています。MakersPlaceには、 販売ごとに15%の手数料を支払う必要がありますが、作品のその後の販売ごとにアーティストは5%の印税を受け取ることができます。 コレクターはPayPalやStripeなどの信頼できる決済システムを使用して、イーサリアムまたは従来の通貨でアートを購入できます。 そしておそらく、アーティストとコレクターの両方にとって魅力的なMakersplaceの特徴の1つは、サイトで販売されている作品のキュレーションのレベルです。
ビクターは、最初の頃はガス代(ブロックチェーン上での取引手数料)がなく、一度に何百もの作品をミントするのが一般的だったと言います。 彼は初期の作品の1つを100エディション作成し、これまでに20を販売しました。
最近ではガス代も高くなり、競争率も圧倒的に増えたためにはるかに難しくなったと彼は言います。 彼は、成功するNFTアートを作るためのアーティストの苦労を、Instagramなどで認知度を得るためのスキル、マーケティングの知識、トレンドを理解する意欲など脚光を浴びる苦労に例えています。
その上、競い合う膨大な数のデジタル アーティストがいて、そのうちの何人かは当然あなたを凌駕しています。ビクターにとって、自分の作品をNFTとして販売することは大金を得るのは難しく、むしろ生計を立てられるかの可能性がかかっています。
他のアーティストへのアドバイスを彼に尋ねたところ、自分自身と自分の作品に忠実であることが重要だと強く言います。つまり、作品はブロックチェーンに永久に存在するため、誇りに思える作品を作るべきだと言っているのです。少し純粋過ぎるように聞こえるかもしれませんが、本物の知恵がこのアドバイスにはあるのです。
デジタルアートの価値は、エンゲージメントの統計と簡単に同等視され、一方では有効性の公正な指標にもなります。そしてもう一方では、新しいものや代替するものを好まない多くの要因から影響を受ける可能性があります。アートだけをフルタイムの仕事にしようとしているアーティストにとって、より良いエンゲージメントを約束するビジョンを妥協することは非常に簡単であり、代わりにコンテンツをつぶすことになるかもしれません。
盲目的な迎合は、実用的かつ現実的に意味のあるものを作るチャンスを最終的に壊します。手っ取り早くお金持ちになろうとする考えが晴れたとき、ビクターのように真の意味と価値のあるものを作り続けた人たちが、他の人たちより際立つことができるのでしょう。
ビクターはデジタル アートの世界で、NFTやより伝統的な方法を使って自分の居場所を切り開くことを決意しています。 アイザック アシモフやメビウス、サイエンス フィクションやシュールな世界への憧れをインスピレーションの源として創作し続けています。 彼の作品は彼の瞑想を通して、人類の未来と私たちが今日直面している問題、そして私たちの技術と野心が成長し続けるにつれて直面するであろう問題について反映しています。
彼は今フリーランスの仕事を一時的に休んで、彼が伝えたいストーリーを静止画像とループで表現することに集中しています。 彼の作品である未来都市やミステリアスな森、人間の造形に焦点をあてた象徴的な作品などはArtstationのアカウントで見ることができます。 これらのアイデアはImmemorialという現在制作中のシリーズにまとめられ、物語にするためにアニメーションを組み込みこんだり、彼の想像の宇宙のモンタージュを作成することを計画しています。
ビクターによると、IMMEMORIALの物語は、すべての意識が「O.M.N.U.S.」という人工知能によって制御されている不確実な時間と場所で繰り広げられます。 意識の移行は一定の期間で徐々に起こったと推測されていますが、AI が人類のすべての記憶を隠していたため、どのくらいの期間だったのかは誰にもわかりません。 人間はネットワークに接続された人工脳によって動かされる器であり、単に「身体」と呼ばれています。
どういうわけか自然な意識を保っている例外的な人々が数人存在します。 彼らは命を危険にさらしてメモリサーバーに接続し、自分が個人として、また種として誰であったかを思い出します。 彼らは O.M.N.U.S. を破壊するために戦い、すべての人々のためにより良い未来を築くために、あるべき姿を取り戻します。
また、ビクターは最近、3D制作よりも執筆活動のほうが多くなっているようです。どのようなものが出来上がるのか楽しみですね。
時々、こうしてビクターに会えることをうれしく思います。私たちは常に彼の作品のファンであり、アーティストとしての彼の成長を見守ってきました。 彼とのライブでの対談は、YouTubeで見ることができます。
ビクターについてもっと知りたい方は、彼のウェブサイトと販売中の作品をご覧ください!
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