BTS、NCT 127、ATEEZ、TWICE、Xdinary Heroes - これらは、ビルボードのK-Pop 100 の上位にランクインしているアーティストであり、Plastic Beachの 3Dプロジェクトのクライアントでもあります。
ソン・チャニョンは、2015 年からフリーランサーとして長い道のりを歩んできました。比較的短い期間 ( 彼は2019年には正式に Plastic Beachを会社として設立しました) で、彼と彼のチームは、 韓国のポップミュージックシーンで活躍し、アーティストのために一連のミュージック ビデオを作成しました。 K-pop が世界を席巻していた頃、Plastic Beach が K-pop の VFX シーンを席巻していました。
チャニョンは3D業界を征服をしたかったわけではありません。彼と彼の共同創業者は彼が学生の頃、放課後のクラブ活動で出会い、ただ勉強することが目的で集まっていました。 そしてそのころから、チャニョンと彼のチームは「偶然」フリーランサーとしてミュージックビデオに取り組み始めたのでした。その「偶然」とは具体的にどういうことなのか、チャニョンは詳しく説明してくれませんでしたが、その「偶然」が発生していなければ、今日の K-POPミュージックビデオは非常に異なったものになっていたと言っても過言ではありません。 それ以来、そのクラブ活動で出会った15人を含め彼はチームを拡大しました。
K-POPといえばアーティストや楽曲が真っ先に思い浮かびますよね。 しかし、ミュージックビデオのビジュアルは、アーティストや楽曲全てを世界中の視聴者にとって親しみやすく、魅力的で、刺激的なものにするという大きな責任を担っています。 BTS が Butter のミュージック ビデオを公開したとき、何百万人もの人々がカウントダウンのライブビデオに釘付けになりました。もしミュージックビデオ自体が魅力的でなければ、何百万人もの人々はひどく失望したことでしょう。
さらに、チャニョンと彼のチームが期限内にビデオを完成できなかった場合を想像してみてください。 Plastic Beachの素晴らしい作品、Xdinary Heroes の Happy Death Day のミュージック ビデオを別の例として見てみましょう。平均して、1 フレームのレンダリングに 3 ~ 6 時間かかりました。チャニョンは、プロジェクトのために 1000 以上のフレームをレンダリングする必要があり、私たちのレンダーファームを使用してクラウド経由でこれらのフレームをレンダリングしていなかったら、プロジェクトはおそらく今もレンダリングしていたでしょう。
特に、Plastic Beach のような洗練された仕事をするチームにとって、オンラインレンダーファームはワークフローに絶対に必要なものです。 彼らのような小さなチームが独自のレンダリングファームを立ち上げるのは難しく、費用もかかります。 また、レンダリングマシンのメンテナンスにも多くの時間がかかり、それは本来クリエイティブな時間に費やすべきです。ミュージック ビデオ業界は、他の分野、特に建築ビジュアライゼーションなどのに比べて締め切りが短いことが多く、チャニョンやPlastic Beachにとって GarageFarmを活用することは当然と言えます。
チャニョンがPlastic BeachのためにGarageFarmを選択した理由は、時間と費用の効率化だけではありません。GarageFarmには24 時間年中無休の技術サポートチームがいるので、何度も問題を一緒に乗り越えてきました。
BTSのDynamiteのミュージックビデオに取り組んでいたとき、チャニョンと彼のチームは、大規模なFXシーンのキャッシュファイルをアップロードする際に問題に遭遇しました。 Korea Telecom の 1 日のネットワーク速度制限により、大きなファイルの転送に多くの時間がかかったのです。しかし、技術サポートチームが解決策を見つけ、チャニョンは予定どおりにプロジェクトを完了しました。 GarageFarmの技術チームは、チャニョンのチームが各ファイルを個別に手動でアップロードすることにより、ファイルが正常に処理できることを見つけ、解決できたのです。
「技術サポートチームはGarageFarmの最大の強みだと思います」とチャニョンは言います。
Plastic Beachには常にK-pop のミュージック ビデオのプロジェクトがありますが、チャニョンと彼のパートナーは NFT の世界に進出しようとしています。 彼らは、TOCOTOUCAN と呼ばれるウェブサイトを試験的に運営しており、これは基本的にデジタルアートの NFTのオークションサイトです。 彼らのプラットフォームはまだ始まったばかりですが、チャニョンはとてもわくわくしていて、 「NFT はデジタル アート業界を完全に変えることができると思います」と述べています。
また、プロフィール画像 NFT (PFP NFT) の作成と公開も検討しています。 PFP NFT は、最近のオンラインプラットフォームのトレンドである、ユーザーの実際のプロフィール写真が所有しているNFT に接続されています。 Adidasのパートナーの Gmoney のような一部の PFP NFT は、非常に人気が高く、それ自体がほぼインフルエンサーになっています。
チャニョンの目標は、K-POP の世界と 3D および NFT の世界をつなぐことです。 「私たちが得意とするビジュアルアセットの分野で、さまざまな実験を行うことを目指しています。 現在、私たちが作ったキャラクターとNFT、オフライン空間をつなぐ新しいブランドを準備中です」とチャニョンは語ってくれました。 「NFT は現在最もホットなトピックであり、最終的私達は、すべてのデジタル アーティストが成長し、他者に依存することなく自立できるエコシステムを構築することを目指しています。」
NFT とデジタル アートとの関係について詳しく知りたい方は、NFTの歴史に関する記事をご覧ください。
チャニョンはまた、ボリューメトリック キャプチャ技術が業界を変えると考えています。 このテクノロジーは基本的に、通常のカメラが空間の映像をキャプチャすることとは対照的に、空間自体をキャプチャしてデータに変換します。 空間自体がキャプチャされると、カメラを持ってそのスペースを撮影するのではなく、ほとんどの作業がポストプロダクションで行われます。この技術により、実際のビデオ撮影にかかる時間が大幅に短縮され、映像製作側は、実際のカメラでは不可能なカメラアングルや動きをとらえることができるようになります。
これらはすべて今のところ「まだまだ先のこと」のように聞こえるかもしれませんが、わずか7年でフリーランサーからK-popの3D業界のトップに君臨したチャニョンが語っていることなので、もしかすると驚くより早く、この技術が実現するかもしれません。
ちなみにチャニョンと彼のチームは 3ds MaxとV-Rayを使用しており、ForestPack、Phoenix FD、Tyflow などのプラグインを主に使用しています。
GarageFarmを使用したプロジェクトのレンダリングに興味がある場合、または単に 3ds Max のクラウド ソリューションについて詳しく知りたい場合は、3ds Max レンダー ファームをチェックしてください。