【Kenneth Robinインタビュー】Cinema 4D を使用してMoGraphを実験する

【Kenneth Robinインタビュー】Cinema 4D を使用してMoGraphを実験する

Maxon の Cinema 4D は、世界中のモーション グラフィックス アーティストに使用されており、典型的な 3D アニメーションを超えた魅力的なコンテンツを作成し、アートとデザインの分野を融合させています。 C4D はその柔軟性、カスタマイズの可能性、迅速な開発スピードにより、mographアーティストにとっては最高のソフトです。 魅力的なアートを作成するためのツールがリリースごとにC4Dに追加されてきました。

今回は、そうしたアーティストの 1 人であるケネス・ロビン氏に、Cinema4Dで作成した作品と、 AT&T のプロジェクトについてインタビューしました。ケネスさんはモーション デザイナー、3D ゼネラリスト、タイポグラファーとしてカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に、BBC、BMW、AT&T などのクライアントのプロジェクトに主に取り組んでいます。

ケネスさんは、2000 年代初頭にサンフランシスコのグラフィティ サークルでプリントデザイナーとしてアートのキャリアをスタートし、その後UI デザイン、そして最終的には 3D デザインへと移行しました。

「私は 2006 年にはサンフランシスコに住んでいて、Adidas のバスケットボールのフラッシュ サイトをデザインしていました。すべてPhotoshopで作業し、2D ツールを使用して3Dに見えるように作成していました。私がCinema 4Dを学び始めたのは 2008 年で、今までの自分のテクニックを数段向上させることができる、優れたデザインツールであると感じました。その後すぐにロサンゼルスのモーションデザイン業界に飛び込み、それ以来ロサンゼルスを飛び回っています。」

ケネスさんの作品は、彼がそれまで経験してきたものである、タイポグラフィー、グラフィティの世界、そして彼が「幸運なアクシデント」と呼ぶものの影響を強く受けています。

グラフィティ、Search System のブログ、Caravaggioなどから主にインスピレーションを得ています。 そして、音楽で聞いたものをイメージに変換するということに時間を費やしてきました。 自然も大きなインスピレーションです。 私はシンプルに見えるけれど、その裏では実は複雑なエンジニアリングが行われている、というようなものが好きです。私の仕事の多くは、「幸運なアクシデント」から生まれています。 つまり、「幸運なアクシデント」は私の作品のテーマでもあるのです。

「仕事のために作成した作品は非常に商業的であり、抽象的ではないのでめったに公開することはありません。私はアーティストとして、そのような作品で有名になることは望んでいませんでした。なのでプライベートの時間で行っているちょっと変な実験的なものだけを公開しています。 このような変な実験が、実際にはさらに面白いプロジェクトにつながったりしました。」

Cinema 4Dでの成長プロセス

ケネスさんはアーティストとして、作品のほとんどに Cinema 4D を使用しています。 Cinema 4D は、その豊富な機能セットや簡単に統合できることなど、ケニスさんのようなアーティストにとって最高のソフトです。 統合とは具体的には、Redshift、Octane、Arnold、Vrayなどのレンダリング エンジンとの統合や、Adobe After Effects、GarageFarm の Renderbeamer アプリケーションなどのアプリとの統合です。 Cinema 4D とAfter Effectsのシームレスな統合は、タイポグラフィ、3D ダイナミクス、モーショングラフィックスと連携させて作業する ケニスさんのようなアーティストにとってはかなり合理的です。

 How Kenneth Robin is using Cinema 4D for Experimental MoGraph
AT&T Discovery District by ケネス・ロビン

「Cinema 4D は私のワークフローのタイプに最適です。 柔軟に多くのことを可能にしてくれる便利なツールセットがあり、簡単に反復作業ができ、素早くアイデアを形にできます。各バージョンは定期的に改善されており、3D ソフトウェア市場での安定して競争力を維持しています。 Cinema 4D R25 には、シーンノード、ボリュームモデリング、そしてRenderbeamerとの統合など、興味深い開発がいくつかあります。」

新しいツールがリリースされるたびに改善されるCinema 4D R25

Cinema4D R25 には、アーティスト向けの新機能が多数追加されています。 新しい最新のユーザーインターフェイスに加えて、R25 には新しいモデリング ツールとコントロール、新しいプリセット システム、そしてさらに向上したデータ統合ツールが追加されています。

シーンノードが 3D シーンのさまざまな側面、特にスプライン、メッシュ ジオメトリ、およびプリミティブを制御できるようになりました。 また、新しい OpenVDB ボリューム モデリング ツールもいくつかあります。 これらのツールを使用すると、従来のメッシュ モデリングの手法に限定されない手続き型モデルを構築でき、既存のモデルやスカルプティングを最適化されたメッシュ モデルにリトポロジ化できます。 ボリュームは、プロシージャル モデルを作成したり、既存のオブジェクトを変更したりするためにフィールドとも連携します。

 How Kenneth Robin is using Cinema 4D for Experimental MoGraph
AT&T Discovery District by ケネス・ロビン

C4D のリリースごとに機能セットが増え続けるだけでなく、ケネスさんのようなユーザーは、さまざまな C4D プラグインやリソースを組み込んで設計プロジェクトを構築することもできます。 Xparticles、Turbulence FD、そしてPoliigon と Turbosquid の両方のアセットを含みます。ケネスさんは熟練したC4Dユーザーだということもわかります。

3D ダイナミクスとモーション グラフィックスに加えて、ケネスさんの作品にはタイポグラフィが使われています。 タイポグラフィと統合させることで、同時に作品の抽象性を高め、根拠を与えます。 そのためケネスさんはAdobe Illustratorも熟練しています。

「タイポグラフィは、グラフィック デザインの基礎の 1 つです。 抽象的な3Dの多くは基本から離れすぎていて、別の領域に入り込んでいると感じます。 私は誰もが共感できるものを意外な角度から抽象化させるのが好きです。  プリント デザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、グラフィティのレタリングであそんできたので、私はたぶんタイポグラフィに相当執着しているんだと思います。」

AT&T のDiscovery Districtでのブランド体験

ケネスさんは、テキサス州ダラスにある AT&T のDiscovery District Media Wallのブランドアニメーションを作成しました。 彼は、メディア ウォールの解像度に合う6k、60fps、3600 フレーム ショットのレンダリングを作成する責任がありました。

これは、大規模な 6k 解像度のビデオ ウォールで、24 時間コンテンツを再生します。 画面の解像度は非常に高く、遠くからでもレンダリングの細部をすべて見ることができるため、すべてを最高の品質で行うことが非常に重要でした。

ケネスさんは、自宅のファームでレンダリングを試した後、私たちのCinema 4Dレンダーファームでアニメーション全体をレンダリングしました。

「このシーンは、単一カメラの連続ショット、6k、60fps、3600 フレームで、数テラバイトの Alembic を使用してジオメトリを取り込みます。 複数のマシンでレンダリングするには、いくつかのスクリプトが必要でした。 私は元々、作品の古いバージョンをレンダリングするために自分用のファームを構築しましたが、仕事を完了するには十分ではありませんでした。 GarageFarm のチームのおかげで、この非常に重く複雑なレンダリングを適切にセットアップすることができました。 Cinema 4D の RenderBeamer との統合は、データのアップロードと最終シーケンスのダウンロードにとても役立ってくれました。 チームには感謝してもしきれません!」

ケネスさんは、一流のメディアを制作するスタジオとして、レンダーファームなどの大規模なスタジオに必要なツールとリソースを使用することが重要であると言います。

「過去に小規模なファームを構築したことがありますが、スケーリングと予算の点で制限があります。 技術は常に進歩しているので、私はついていくことができません。 レンダー ファームは、大規模なエクスポートを高速化してくれる優れたサービスです。 自分のファームでは 1 か月かかることが、クラウドレンダーファームでは数日かそれ以下で済みます。」

ケネスさんが語る未来

ケネスさんにデザイン界の将来について尋ねると、現実世界と抽象的な概念を統合することに焦点を当てた、多分野にまたがるデザインへと大きくシフトしていくだろうと語ってくれました。

それはすでに始まっていて、ますますスマートなデザインと巧妙な方法により、現実との境がぼやけていくのかもしれません。

ケネスさんが Cinema 4D で作成したようなモーション グラフィックスは、今日のデザイン界で最高の「現実との境をぼかす」芸術形式の 1 つです。 VR と AR が脚光を浴びる中、ケネスさんの作品は、今日のアートとデザインのトレンドの起源を忘れないことが重要であると伝えています。 MoGraphは実用的で、アーティストが C4D や After Effects で培ったものを次のレベルに引き上げてくれる3D ツールです。

将来的には、ケネスさんはプロジェクトに取り組みながら、NFT の世界に足を踏み入れたいと考えています。

 How Kenneth Robin is using Cinema 4D for Experimental MoGraph
AT&T Discovery District by ケネス・ロビン

「私は引き続きフリーランスとしてチームを率いて、必要に応じてモーションやデザインのプロジェクトに取り組みたいと思っています。

そしてNFT から不労所得を得たいと考えていますが、まだ本格的にアートをミントし始めたわけではありません。 私はモーション デザイン業界に束縛されてきたので、自由になろうとしてきましたが、逆にこの業界にも愛着があるのです。 私の仲間の多くは、私にここから飛躍して、コレクションを作るように励ましてくれました。 今年これを実現できればと思っています。」


ケネスさんに今回お話を伺えて光栄でした。ケネスさんの作品を見たい方は、彼のウェブサイト kennethrobin.la または Instagram @thekisblack でチェックできます。ケネスさんの作品は、Cinema 4D を中心としたツールセットを使用し、Adobe After Effects や Redshift などのアプリ統合を利用して、芸術で何ができるかを実験した作品です。 実験的な芸術作品を作成するために、あらゆる分野にまたがるツールを手に入れるのは難しいですが、Cinema 4D は明らかに、さまざまな芸術スタイルや方法を統合するための最高のツールの 1 つです。

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