美、テクノロジー、ストーリーがマリーナ・グレツォワの建築ビジュアライゼーション作品に詰まっています。
どうすれば他の人に生き方を変えるよう説得できると思いますか? 自然とより調和して生きることの利点をあげるとか、マインドフルネス瞑想や定期的な運動で心と体をどのように改善できるかを説明するのが最善の方法かもしれません。マリーナ・グレツォワにこれについて尋ねると、彼女の示す最善の方法は、すべてを表示する以外に何も言わないことです。
そしてそれは、ローネン・ベッカーマンが主催した2021年のCONVERTEDチャレンジで、彼女が14,585米ドルを建築ビジュアライゼーション作品で獲得した際に、彼女が実践したことでもあります。
マリーナは、CONVERTEDが提起した課題に別のアプローチで応えました。 課題は、再利用された古い構造物の外観や機能を新しいものに変換するというものでした。 他の提出された作品は、古い構造物(墜落した飛行機、古い納屋、歴史的な廃墟、廃工場)の空間を変えたものがほとんどでしたが、マリーナのアニメーションだけは時間の経過に伴う変化を描いています。
2021年の騒々しく汚染された都会の中のアパートが、2051年には息を呑むような緑に囲まれた住居に変わります。ここには、通信用のホログラムデバイス、太陽光発電と風力発電の輸送用ドローン、食べ物を3Dプリントするオーブンなど最新技術が満載ですが、自然とのつながりが一番重視されています。屋外での食事やくつろぎの時間に理想的な拡張されたバルコニーは、広いガラスの壁によってメインのリビングエリアから隔てられており、日中の日光を最大限活用し、人工照明とエネルギーの消費を最小限に抑える作りになっています。 ベッドルームとダイニングエリアは、緑が茂る岩肌が露出した岩山に囲まれています。エクササイズのための体操用リングがベッドの横にきれいにぶら下げられており、床は石と竹でできています。 ここにはカーペットやタイルはありません。 新鮮な果物や野菜は、キッチンの3Dプリントオーブンの横の、ミニマリスティックな吊り棚で栽培されています。アニメーションの終盤では周辺の様子が表示され、この地域のすべての建物が自然の地形に合わせて、どのように建設されているかを示しています。自然の特徴に合わせて設計されており、地形をハンマーで壊したりブルドーザーでえぐったりして強制的に形を変えることなく、 居住者の意志に沿ったものになっています。 遠くに風力タービンが見え、近くの家々にエネルギーを供給しています。
なんて素晴らしいビジョンでしょう。これを視覚化するのは容易ではなかったはずです。
マリーナは、CONVERTEDチャレンジにアニメーションでエントリーするために、没頭して作業することができました。 長い間、彼女は個人的なプロジェクトに集中したかったのですが、できなかったのです。 しかしCOVID-19のために、オフィスでのインテリアデザインの需要は減少し、インテリアのビジュアライゼーションの需要も減少しました。 これは彼女に多くの時間を与えることになり、チャレンジに挑むことを可能にしました。 そして彼女はアニメーションカテゴリにエントリーすることにしたのです。
すべての3Dアーティストがわかっているように、プロジェクトの制作に対して十分な時間と言ったものはなく、アニメーションの場合さらにそれが顕著になります。 マリーナが描くユニークなコンセプトを視覚化するのは簡単ではなく、締め切りが近づくと、彼女は時間が足りないことに気が付きました。 彼女はローネン・ベッカーマン(The Craftの創設者、CONVERTEDチャレンジを主催するarchvizハウス)に連絡し、お勧めのレンダーファームがないかを尋ねました。ローネンはGarageFarm.NETを推奨し、マリーナはそれを試して以降、もう立ち止まる心配がなくなったのです。
マリーナがGarageFarm.NETでレンダリングするのはこれが初めてでしたが、すぐにコストの柔軟性、レンダリングの速度、プロセスの簡単さに夢中になりました。 そして何よりも、マリーナは24時間年中無休のサポートシステムに感銘を受けました。 「日曜日の午前8時でさえ、常に誰かが私の相談に乗ってくれるのは素晴らしいです」と彼女は言います。
マリーナのアニメーションは非常に複雑でしたが、レンダリング20時間以内で受賞可能レベルの作品を完成させました。 レンダーファームは迫りくる締め切りから彼女を救ったのです。 「ファームがなければ、孫たちが未来で実際の映像を撮影しなければいけなかったわ」と彼女は言います。 もしそれが本当に起こったとしたら、作品のタイトルであるWake Up 2051は、マリーナの意図とはまったく異なり、皮肉な面白くないものになったでしょう。
CONVERTEDチャレンジで優勝したことで、マリーナはそれで得た多くの学びと経験を、将来のプロジェクトに活かそうと決意しました。 その学びの一つは、もはやレンダーファームなしでレンダリングすることはないということです。 レンダーファームは物事を単純化し、ストレス、特に締め切りからのストレスを軽減します。 「フィンランド人と一緒に仕事をするなら、1分でも締め切りを逃すことはできません」と彼女は言います。 GarageFarm.NETのようなレンダーファームを使用すると、画像やアニメーションに緊急の変更があってもすぐに適用でき、それまでのように夜通し待つことなく、同じ日に準備することができます。 現在彼女はぐっすり眠ることができると言います。
マリーナは3D業界にすでに9年間携わっていますが、常に色んなことを学んでいると感じています。 彼女はロシアのノボシビルスクで芸術を学び、空間デザインとプロダクトデザインの修士号を取得しましたが、心はいつも3D建築ビジュアライゼーションにありました。 彼女は故郷であるシベリアを出て、ロシア、ポルトガル、フィンランドなど多くを旅し、そして現在はポーランドに住み、3Dデザインのインスピレーションになるフォトグラフに目を向けています。彼女の構図と感情に対する洞察力が、下の3D作品でどのように表れているかがわかります。
静止画でも、マリーナの作品は多くの感情を伝えることができます。 遠目から見ると、このシーンは牧歌的で少し暗く見えます。 しかし各部分を拡大していくと、それぞれに小さなストーリーがあることがわかります。結婚が近いのかもしれない水辺の近くのカップル、バーベキューで同窓会をしているかもしれない若いグループ、火を見つめている孤独そうな少年は、大学の専攻など将来のことを考えているのかもしれないし、左側の今到着したようなカップルは、議論をしているようです。 建物の美しさを示すことが画像の主な目的であっても、このような細かなディティールは、作品に一種の人間的な暖かさを与えます。
彼女は現在、Capture.Designという、フィンランド市場向けの公共インテリアの視覚化に取り組むarchvizスタジオを運営しており、新しい3Dの課題にも取り組んでいます。 彼らの作品を見れば、言葉を使わずに説得する方法と言うものがわかるでしょう。
マリーナの作品は、「画像は千の言葉に値する」という言葉を証明してくれています。