フリーランスの3Dアーティストとして成功できない理由とは

フリーランスの3Dアーティストとして成功できない理由とは

記事:ダニー・ローリングス | @drollingscaa

フリーランスの3D アーティストという職業は情熱がないとできることではない、というのは言うまでもありません。 フリーランスであれば、オフィスに行って一日中制作と関係ないことに煩わされることもなく、様々なチャンスを得ることができます。 一度フリーランスとしての自由を一度味わうと、毎日同じ上司から指示されるような環境に戻ることは中々難しいです。しかし、気を付けないと生殺しのような目にあってしまうのもフリーランスです。そういった様々な理由でフリーランスの仕事がうまくいかず、生活のためにまた会社勤めに戻ったアーティストも少なくありません。というわけで今回の記事では、そういったフリーランスとしてのやってはいけない注意事項をご紹介していこうと思います。

1. 失敗を恐れる

フリーランスのアニメーターになりたいと思っているけど、自分の作品が受け入れられなかったらどうしようと悩んでいるとします。 失敗への恐れは、フリーランサーがベストの力を発揮できず、生産性を落とす一つの要因になります。皮肉にも、失敗を恐れれば恐れるほど、失敗しやすくなってしまいます。一番言いたいことは、失敗なくして成功はないということです。

失敗を恐れない

さらに、失敗に対する強い恐怖は(一般的な恐怖と同様に)、精神的にも肉体的にも影響を与える可能性があります。 あなたの頭の中で失敗は大きな影の化け物になって、あなたを丸ごと飲み込むチャンスを待っています。覚えておいてほしいのは、指示されたタスクをほぼ100%成功できるのは機械だけであり、あなたは機械ではありません。 あなたは人間であり、他の人と同じように長い時間の中で多くの失敗を経験し、その教訓によって希望の光を得ることができます。安心してください。あなた自身が作り出した不安の化け物は、あなた自身で克服することができます。

2. 自分にしかないものを見つけていない

自分にしかできないニッチなものを見つけるには、まず、そもそもなぜ自分がフリーランサーの道を選んだのかを明確にする必要があります。 これを明確にしておくと、自分に合ったニッチを見つけやすくなります。 自分が何に情熱を注いでいるかを考え、自分のスキルセットについて確認し、そして自分が楽しく働ける業界を見つけます。これにどれほど時間がかかるかは定義できません。 自分にあった業界を見つけるのに数週間ですむこともあれば、数年かかることもあるでしょう。そして、したいことがあるけど技術や知識が足りていないのであれば、学びましょう。 学ぶべきことは常にあります。

私の場合、自分のニッチを見つけるのに5年かかりました。 フリーランスの3Dアーティストになることを夢見て、3Dアニメーションの勉強とCGコンテンツの作成に時間を費やしました。しかしアニメーションは自分に向いていないことに気づき、探索的な執筆や研究が自分にとって向いていると気づきました。そしてGarageFarm.NETのアーティストスポットライトで、2000文字に渡る回答を書き上げ、それ以来、私はフリーランスで時折ブログ投稿やケーススタディを書くチャンスを得ました。 もちろん、学ぶべきことはまだたくさんありますが、自分の仕事を楽しみにできるということは、自分のニッチを見つけたということです。 起業家たちがニッチを見つけるプロセスを独自の5ステップ ガイドに要約しているので紹介しておきます。

3. 目標を大きくし過ぎる

始めたばかりの頃は挑戦のため、または目標を一気に達成するために、野心的に大きなプロジェクトに飛びつこうとするかもしれません。間違ってはいませんが危険です。完成品やデザインを見て、それを再現する方法を推測するのは簡単ですが、実際にそれを実現するための適切なツールや方法を知ることは、まったく別の話です。 たとえば、大学1年生のとき、私はAutodesk Mayaのクラスに参加し、このプログラムを2年間使用した経験がある数少ない学生でした。そこで、同期生がMayaの3Dモデリングの基本を学んでいる間に、私は人間の頭のモデリングに挑戦することにしました。しかし当時、私は顔のトポロジー、つまり眉の形、まばたき、口の変形などを可能にする筋肉の輪について何も知りませんでした。 結果どうなったかは容易に想像できるでしょう。

顔のトポロジー
左: 人間の顔の筋肉 (CC by 4.0 OpenStax) | 右: 大学の「Bon Appetit」ショート (2014) のためにモデル化されたフランス人女性の頭

もし幸運にも大きなプロジェクトを得ても、基本的な知識がなければ、期限内でクライアントを満足させる結果を出すのは難しいでしょう。 そして手に負えないような状況になり、それと同時にクライアントは細かな作業も多く求めてくるでしょう。締め切りに間に合うよう計画するのはあなたの仕事であり、クライアントの知ったことではありません。 締め切りが迫っている状態で進捗をクライアントに見せなくてはならず、そして提示したものは、あなたもクライアントも期待していたものとは違っていると思います。

小さなプロジェクトから始めてそこから積み上げていかないと、基盤が非常に不安定になってしまい、大きなストレスや不安の原因となり、最終的には完全に崩壊してしまいます。 たとえば、フリーランスの3Dモデリングでキャリアを築きたい場合は、まず自分のツールセットと、何をすべきか、何をすべきでないかの「ルール」を知っておく必要があります。 私の場合、2016年後半にMayaでの 3Dモデリングについての紹介記事を書き、今でも役立つヒント、裏技、ツールを把握しています。

4. 仕事が依頼されるのをただ待っている

フリーランスは基本的に不安定収入なので、安定したクライアントからの依頼が必要です。 SNSなどで自分の作品をアップして、たくさんのハッシュタグをつけたとしても、見込み客にアピールできる可能性はありますが、仕事を得れるは保証はありません。見てもらえて👍または❤️をもらえても、すぐに次へと去っていきます。 ビジュアルだけでは本当に興味を持ってもらうのは難しく、ちゃんと作品について語ることが重要です。

ネットワーキングなどの交流できる場は作品のビジュアルを見せるだけでなく、語ることもできる重要な機会です。 プロジェクトを完了して成功させたときに、ネットワーキングではさらに次につながるような紹介などの機会を得ることもできます。 映画製作者のブランドン・スミスが 2012 年にこう言いました。「肝心なのは、自分の価値観に忠実であり、本当の自分であることです。そうすれば、すぐにTwitterのコミュニティで一目置かれるメンバーになれます」これは Twitter だけでなく、見込み客を探してコミュニケーションをとることにも当てはまると思います。

マヤのカレンダー
ツイッターの文字制限のように、「マヤのカレンダー」には誰が制作したか書くスペースがなかったため、長年これがアステカのものだと知られていませんでした。
Still image by altazor007 on Pixabay

5. スマートに働けていない

スマートに働けていない
スマートに働けていない、かわいそうな人。

スマートに働くということは、仕事のたびにフォーマルなスーツを着てエレガントに働くということではありません。つまり、ワークフローをスピードアップさせるためのソフトウェア、アセット、サービスなどを活用することです。 競争の激しい3D業界で生き残るには、作成済みのモデル/アセットの活用、アドオン、面倒なプロセスを自動化するスクリプト、またはバッチ処理マクロなどを使用して、効率的に作業する能力が必要です。そしてもちろん、レンダーファームを使用することで、多くのストレスと不安から解放されます。レンダリングを適切に行うための10 のヒントでは、建築ビジュアライゼーションのワークフローをより高速化し、効率的かつ効果的に作業する方法について詳しく説明しており、建築ビジュアライゼーションだけでなく 3Dフリーランスの仕事全般に役立つアドバイスも含まれています。

スマートに働けていない
有能な労働者をだめにする例
Image by geralt on Pixabay

何があなたを苛立たせて、妨げているのかを特定することが大事です。自分のやり方を変えず物事を進めるのは簡単ですが、いつかそれは効率を落とし、やり方を考え直すときがきます。私の場合、ごくわずかな視聴率で長文の記事を書いていたのを、5 項目のリストに分けた記事にしたことが、フリーランサーとしてのターニング ポイントでした。フリーランスの3D アニメーターの場合、自分のやり方をよりスマートに向上させる方法として、レンダー ファームを使用するということがあります。 3Dレンダリングにファームを利用することで、フリーランスとしての進歩を促進するだけでなく、ストレスに悩まされることもはるかに少なくなります。わずかなコストで貴重な時間を節約することができます。ファームの利点を説明しようと思ったら別の記事にしないと足りないでしょうが、ここで言いたい一番重要なことは、驚くほど費用対効果が高いということをせめて伝えておきます。フリーランサーとしてあなたの将来がうまくいくことを願っています。


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