3Dモデリングは、40年以上前のまだ知られていなかった時代から長い道のりを歩んできました。その間、その機能やパフォーマンスにおけるテクノロジーは継続的に進化し、成長してきました。そのおかげで現在では数多くの興味深い進化を遂げており、さらにまだ多くは進化の途中です。 私たちは今モデリング革命の淵に立たされており、昨今のテクノロジーとその開発は3Dモデリング界をさらに大きく変えていくでしょう。
たとえば3Dプリントの登場により、3Dモデリングの機能とそれに有効なアプリケーションがさらに強化されました。 バーチャルリアリティは現在の（非バーチャルボーイ）形式では非常に新しいですが、3Dモデルとの関係を大きく変えたように思います。 これは様々な方法で様々な業界や職業に役立ち、3Dモデリングの未来をさらにエキサイティングなものにします。
スキルに応じた様々なアプリケーションがあっても、私のような独自の専門分野、作成することが楽しいタイプの3Dモデラーは、好みのジオメトリタイプを持っておく必要があります。また、私達はAutodesk Maya 2016内の3Dモデリングに関する記事で、ジオメトリタイプに関する情報や、ツールセットのヒントやコツをいくつか紹介していますので是非ご確認ください。
本題に入る前に、さまざまな職種において3Dモデルがどのようにユニークな方法で使用されているか、いくつか紹介します。 それぞれのトピックには、詳しく知りたい人のためにハイパーリンクが含まれています。 エキサイティングで魅力的で、時には恐ろしい映画やテレビの世界から見ていきましょう。
まずは最近のテレビ、テレビストリーミングについてです。 今回紹介したいのは、Netflixで話題になった、1980年代をモデルとした少しノスタルジックなホラーミステリーのストレンジャーシングスについて話します。 モデリングがなければ、顔もなく歯だけを見せて息をし、悪夢を呼び起こすDemogorgonとその恐ろしい家が逆さまになっていたことはなかったでしょう。
また、大ヒット映画では、マーベルのアベンジャーズ（2012）でモデリングされた、ニューヨークの約20平方ブロック（1平方マイル）などがあります。インクレディブル・ハルクも、3Dモデリングを使用して作成されました。
3Dモデリングは、建築ビジュアライゼーションでも非常に役立ちます。 長期的にはかなり効率的に費用対効果を期待できます。 GarageFarm.NETのレンダーファームなどのクラウドレンダリングソリューションとさらに組み合わせると、はるかに少ない手間と時間でビジュアライゼーションを実現できます。
高価なものをビジュアライゼーション化する場合、例えば車を宣伝する場合は実在していないものを宣伝しているというのを知っていますか？実は実際に広告で使用されている車は、車輪だけが本物なのです！ハイクオリティなCGの下には、ブラックバードとして知られているマッドマックス風の自動車が隠れていて、上部に取り付けられた360°式のカメラがCGIを作るために車の反射を読み込み、ほぼすべての車の運転を模倣することができます。こういった方法で広告を宣伝する理由は、実際の車は広告が公開される時点ではまだ開発中だからです。
3Dモデリングは娯楽や製品販売だけでなく、命を救う現場にも使用できます。 2015年5月、DassaultSystèmsは科学的に精密で、しかし商業利用できる健康な心臓の3Dモデルをリリースしました。 このように3Dモデルでシミュレーションをし、治療前に無数のソリューションをテストをすることで、心血管疾患の診断などに役立ちます。これにより、さらなる早期の診断と、心血管疾患による死亡率を大幅に回避できる可能性があります。
3Dモデリングは臨機応変に対応可能なオープンスキルであるため、映画、テレビ、本、またはビデオゲームのキャラクターに扮するコスプレなどにも活用できます。 お気に入りの架空のキャラクターから得るインスピレーションや愛着は、素晴らしいエキサイティングなものを継続的に作り出し、想像を現実にする力を与えます。
3Dモデリングを3つの言葉で表すなら、「想像、 創作、 探求」と言うことができ、コスプレと共通することが多いと思います。なぜならモデリングと同様に、コスプレはその制作者の想像力の中で素材として始まり、現実の世界でそのキャラクターになるには何が必要かを想像して計画することまで、想像力が中心にあります。コスチュームが完成すると、コスプレイヤーはそのキャラクターのになりきるために仮面をかぶり、現実世界との相互作用を通じて個性を探求します。
アダム・サヴェッジ（MythbustersというTVシリーズで有名）のウェブサイトの記事で、小道具と衣装を制作している企業のビル・ドランのPunished Propsは、3Dモデリング（および3Dプリント）は、作品の生産性と品質に驚くべきメリットを与えると説明しました。
3Dプリントというものを説明するためには、記事を1本別に書かなければならないほど大きなトピックです。「3Dプリンティング」という単語をGoogleで検索すると、「3Dモデリング」とは対照的に3,300万件を超える結果が表示され、合計で100万を超える結果になります。これは3Dモデリングがそれほど重要ではないという意味ではなく、どちらかといえば、3Dプリントの出現により、３Dプリントされるオブジェクトをまずは3Dモデリングする人が必要になるということを示しています。 少なくとも、将来AIなどのロボットがより良いデザインでより大きな３Dプリントを作成できるようになり、私達からこの仕事を奪ってしまわない限り、という話ですが。
基本的な3Dプリンターのコストは、一般的に買えるほど手頃な価格です。 実際、人気のVRのヘッドセットよりも安価に入手することができます。 たとえば、Oculus Riftの価格はわずか550ポンド未満ですが、Playstation VRの価格は約350ポンドです。一方、daVinci Junior1.03Dプリンターはわずか約280ポンドで手に入れることができます。
世界中の子供から大人までの生活を改善する義肢や、実際に動くガジェットを備えたバットマンのコスプレ、長さ17フィート（〜5m）のボーイングの航空機の翼まで、3Dプリントされた素晴らしいものは数え切れないほどあります。3Dプリンターを購入して既存のモデルをプリントしたい場合、または自分で3Dモデリングしたものを自宅で印刷したい場合は、上で述べたdaVinciのように最初に製品のレビューを確認する必要があります。
テクスチャリングを賢く使用しないとフォトリアリズムの実現は難しく、テクスチャを適用するためのものが必要ですが、詳細な3Dモデルを使用すると、テクスチャアーティストはディティールを「偽造」する手間を大幅に省くことができます。
残念ながら、モデルが複雑になるほどファイルサイズが大きくなり、ここから問題が発生する可能性があります。 フォトリアリスティックな作品を作るために画像をプリレンダリングする場合は、好きなだけ高解像度でモデル化できますが、そのモデルを使用するメディアや量、レンダリング時間に十分注意してください。もしくは、レンダーファームを使用して、超高速でレンダリングすることも検討してみてください。これにより、時間を節約して予定より早くシーンを完成させることができます。フォトリアリスティックなモデル、特にAutodesk Mudboxなどのデジタルクレイから作成されたモデルの複雑さのレベルはすさまじく高く、信じられないほどの結果が得られます。
アニメーションにモデルを使用している場合、非常に複雑なジオメトリを使用すると、初期の段階でソフトウェアがクラッシュする可能性がありますが、そのモデルの静止画像をレンダリングする場合は、制限が少なくなります。
ビデオゲームの世界では、ゲームプレイ中は常にゲーム内の環境をレンダリングする必要があり、これには時間がかかります。ゲームのエンジンと、ゲームをプレイしているプラットフォーム（コンピューター、コンソール、タブレット、スマートフォンなど）が強力であるほど、3Dモデル、テクスチャ、照明（など）がスムーズに処理されます。シーンが複雑になるほど各フレームのレンダリングに時間がかかり、さらにソフトウェアがビデオゲームのアセットに課す制限のため、ゲームの3Dモデリングには映画やテレビに用いられるプリレンダリングとは異なる技術が必要です。
これらの問題を解決するには、ゲームモデラーは各モデルの高解像度バージョンと低解像度バージョンの両方を作成してから、高解像度モデルから抽出した特別なテクスチャマップを低解像度バージョンに適用することにより、レンダリング時間の増大やひどいラグ、さらにはゲームがクラッシュするリスクなく、ゲーム内の３Dモデルが詳細に見えるようにします。これが、ゲーム内で一つ一つをクローズアップして見ると粗く見えるけれど、相対的な距離からは問題なく見える理由です。
そしてビデオゲームのリアルさは近年さらに向上し、キャラクターはどんどんフォトリアリスティックになってきています。キャラクターたちのデジタルの瞳に生命を吹き込む方法をさらに理解できれば、将来はビデオゲーム内でリアルに髪の一本一本が揺れるようなキャラクターを見ることができるでしょう。
近い将来にはさらに驚くべき素晴らしいものが登場するでしょう。 どこまで現実化されるかはまだわかりませんが、可能性を知っておくだけでもワクワクできます。3Dモデルの未来はエキサイティングで、一般の人々も専門家も3Dモデルと関わるだけでなく、それらを作成できます。
バーチャルリアリティは、私たちのファンタジーを実現する新しい方法、不可能なことや恐怖に挑むことができる能力を与えます。
仮想現実はまだ混乱する要素が多いトピックですが、3つの有名なVR全てがついに一般公開されたので、一般的にアクセスできる場所になりました。VRはエンターテインメントととして確かに熱くなってきていますが、没入型の360度3Dモデリングはまだプロトタイプ段階にあり、結局のところVRビデオゲームや360°ビデオとはまったく異なるものと言えます。
VRゲームについて話すととても長くなりますが、ViceGamingによるこちらのビデオが最も興味深い内容を紹介しています。 このように3Dモデルを表示して操作することで、心的外傷後ストレス障害（PTSD）の患者に対する治療の可能性があり、しかし反対ではVRホラーの媒体として潜在的な倫理的ジレンマと医学的リスクを抱えています。
バーチャルリアリティでの3Dモデリングは、マウスを操作する画面ベースの制作にはまだ導入できるようになるのは未知ですが、3Dモデリング業界に波を生み出すことは間違いありません。 3Dモデリングのポイントを一言で言うと、あらゆる角度から見ることができるものを作成するということであり、それを制作する上で膨大な時間を2次元のコンピューター画面に目を凝らしています。
簡単に言えば、VRは3次元の環境で3Dオブジェクトと向き合える機能を提供します。 3Dモデリングとバーチャルリアリティは常に一緒になることを最初から意図していたと主張する人もいるかもしれません。 とにかく、VRの素晴らしさはわかったと思うので、実際に3Dモデリングの例をいくつか紹介しましょう。
VRTXは、オーストリアのインディーの開発者であるBlackishGamesによって開発されています。VRと頂点の間の偶然の類似性が、VRと3Dモデリングが一緒になることは意図されていたという考えをさらに裏付けるものになるかもしれません。 話を戻しますが、VRTXはHTC Viveを使用して開発されており、Blackishはこれまでに2016年1月から11月の間に6つのプロトタイプのテストのビデオをYouTubeチャンネルにアップロードし、大きな進歩を見せています。
Blackishは、プロジェクトを開始するためのインスピレーションについて、VRサポートを発表している大きなモデリングパッケージのどれにも不満はないと説明しています。 VRエクスペリエンスの開発者はVR内で３Ｄモデルを作成できるということから、ソフトウェアにUVマッピングとテクスチャリングを組み込む方法を検討する前に、最初にモデリングに焦点を合ていて、今後も注目すべきプロジェクトです。
一般的にもすでに拡張現実の体験は浸透してきており、Snapchatのフィルター、メイクアップアプリ、ニンテンドー3DSのカードベースのAR、ポケモンGo、そしてGoogleGlassの初期のイテレーションなどがあります。これらは拡張現実が何を可能にするかの片鱗を私たちに体験させてくれましたが、近い将来、さらに充実した内容の製品が登場するでしょう。
2016年3月に開発者向けにリリースされた3000ドルのHoloLensは、話題の高価なキットですが、このまま向上していければ、拡張現実の未来になるかもしれません。 あなたがもし開発者でこのキットに興味がある場合は、Techradarのヘッドセットのレビューを確認してみてください。 では、3Dモデルを将来様々な方法で操作できるようにするかもしれない、興味深い機能を見ていきましょう。
私たちは人体のパーツを印刷し、それらを生活の改善に使用しました。 では薬も印刷することも可能でしょうか？ 製薬業界における現在の問題は、医薬品をパーソナライズできないことです。 特定のニーズを持つ特定の患者のために、特定の投与量の薬を簡単に印刷できるでしょうか？
惑星に基地を建設するために重くてスペースを消費する材料を持っていく代わりに、3Dプリントだけ持っていくのはどうでしょうか？ 地球上の資源は有限です。 私たちが別の惑星に植民地化することができれば、私たちの生存の可能性は劇的に増加するでしょう。 3Dは人類を救うのに役立つでしょうか。
可能性は無限大。 1つの記事ですべてを説明するのは難しいです。 3Dモデリングは本当に世界を変えることができます。
