ペアレンティングという言葉自体は子育ての概念としてよく使われますが、3Dに関する用語としては知られていません。 もちろんこの記事は健康で元気な子供を育てるプロセスについて話すわけではありません。 今回の記事で紹介するペアレンティングとは、キャラクターに小道具を装備させたり、別々のアニメーション化されたリグをアニメ化した変換プロセス、回転、スケールチャンネルの同じセットに付けたりすることができるテクニックのことです。
この記事では、短い3Dアニメーションを作成する際にペアレント化で解決できる問題をいくつかを見ていきます。 Blenderを使用してデモンストレーションしますが、このプロセスは3ds Max、Maya、Cinema 4d、Modo、その他のほぼすべての 3D 作成ソフトに適用できます。 またAdobe After Effects などの 2D アニメーション ソフトウェアでも使用されています。
この記事は、3Dで映像制作を始めたばかりの方には混乱するような内容かもしれません。 それでも、ペアレント化の重要性をわかっておくことは将来的に役立つと思います。
ではまず、初心者の方のためにペアレント化の概念を簡単な例で説明します。
このシーンの小さなにドーナツをいくつか追加するとします。
次に3D モデリングでドーナツを皿の上にうまく盛ってみました。
この時点では、位置座標が示しているように、ドーナツは 3D内の中心に配置されています。 これをテーブルの上やキャラクターの膝の上にのせたいですよね。 すべてを新しい環境に再配置するだけでもいいのですが、100個のドーナツが皿の上に崩れないように配置されていたらどうでしょうか?各ドーナツと皿を全て選択して移動するのは効率が悪いですよね。
これらのオブジェクトを1つだけを移動し、残りを同じように動かすことができたら素晴らしいと思いませんか?
そこで、ペアレント化の出番です。
このスクリーンショットでは、皿のオブジェクト内にドーナツがネストされています。皿は、これらのドーナツのペアレントとして機能します。
ペアレント化した皿を移動、回転、スケーリングできるようになり、ドーナツも変換を受け継ぎます。
ペアレントの子供 (つまりドーナツ) の位置を調整したい場合も、皿に影響を与えずに調整できます。
ペアレント化は、オブジェクトを他のオブジェクト内にネストする手段と定義でき、ホストのオブジェクトの変換がネストされたオブジェクトに継承されるようにしますが、その逆はできません。
ペアレント化でより複雑なのはリグです。
このリグ全体は、階層内で互いにペアレント化された個々の骨組みから構築されています。 これにより、たとえば、肩の骨組みを回転させて腕全体を動かし、それに応じて肘、手首、指の位置と回転を調整することができます。
アニメ化キャラクターの核となるのは、親と子の骨組みの階層であり、これらによって3D キャラクターに命を吹き込むことができます!
Blender では、Outliner 内から、またはホットキー Ctrl + P を使用して、オブジェクトを相互にペアレント化することができます。3ds Max やその他のソフトウェアでも同じように簡単にできると思います。
最近では、自分でリグを作成する必要はなくなりましたが(ありがたいことに)、ペアレント化について知っておくことは常に役に立ちます。
3Dの短編アニメーションを制作している場合、映像内で 1 ~2人のキャラクターにオブジェクトと相互作用させる必要があると思います。 この例では、杖がキャラクターのリグの手の骨組みにペアレント化されていますが、表示されないように設定されています。そして杖の複製が地面に配置され、表示されます。 キャラクターが杖を拾うために手を伸ばすと、地面に表示されている杖がアニメートされて非表示になり、それまで非表示だった親の杖が表示されます。 親のオブジェクトをこのようにシンプルに使用することで、キャラクターが杖を持ち上げるという動きを驚くほど簡単に作れました
ノンリニア アニメーションは、Blender、Maya、Cinema 4d (および他の 3d ソフトウェア)などある機能です。 同じリグの複製で作成されたアニメーション クリップを組み合わせて一致させることができます。
キャラクターにモーション キャプチャを使用する場合でも事前にアニメーション化されたクリップを使用する場合でも、違う方向に前進する 2 つのアニメーションを使用しないといけない場合があります。 一方向に動かしたい場合は、実際のアニメーション データを調整するのは面倒です。 その代わりに、リグの 1 つを新しいオブジェクトにペアレント化し、そのオブジェクトを回転させて子のリグを対応するリグに揃え、新しい変換データを適用させます。 これでリグの向きが即座に変更され、そのアニメーションを対応するアニメーションと組み合わせることが可能になります。
場合によっては、2 つのアニメートされたメッシュを同時に動かす必要がある場合があります。 ここに例として、馬に乗ったキャラクターがいます。 キャラクタには、移動する馬に乗っていることを表現する微妙なアニメーションがつけてあります。 馬には歩行サイクルのアニメーションが配置されています。 キャラクタのリグは、馬の中心の骨組みの 1 つにペアレント化され、馬の動きに応じて上下に動きます。
馬のリグはカーブで前に移動し、キャラクターは馬の変換を受け継いでいるので自然に動きます。
以上で、3Dの短編アニメーションの作成におけるペアレント化の利点と有用性に関する説明を終わります。今回の記事があなたの制作のお役に立てたら嬉しいです。 読んでくれてありがとう!
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