導入事例

ZOA3D 建築アニメーション・建築ビジュアライゼーション

建築ビジュアライゼーション
スタジオ
White grid pattern forming a stepped circular shape on transparent background.White grid lines forming a stepped circular shape on a transparent background.White grid pattern with evenly spaced horizontal and vertical lines forming squares over a transparent background, arranged in a curved lower edge.

建築アニメーション・建築ビジュアライゼーション

使用ソフト

3ds Max | Corona

ポートフォリオ

http://zoa3d.com/portfolio/

専門分野

Architectural Visualization

所在地

Hungary


ZOAは、ハイクオリティな建築アニメーションや建築ビジュアルの制作を得意とするスタジオです。美しい映像表現に加え、物語性や心に響く印象を大切にした作品づくりを行っています。 ZOA3D創設者 アンドラーシュ・オノディ

建築ビジュアライゼーションを手がける会社やフリーランスは数多くいます。その中には、高品質なビジュアルを制作しているところも少なくありません。だからこそ、他と差をつけるのは簡単ではありません。ZOA3Dは、デザイン性とアート性の両方を大切にしながら、印象に残る建築ビジュアルを生み出しています。その中心にあるのは、ストーリーを感じさせる表現です。創造力を生かし、美しさだけでなく、驚きや余韻まで届ける作品づくりを目指しています。共同創設者の一人であるアンドラーシュは、創造性を発揮しやすい制作環境とチームづくりが、ZOA3Dの成功を支えていると語ります。今回はアンドラーシュに、ArchVizの新しい技術、ZOAのこれから、そしてCGアーティストを目指す人へのアドバイスなどについて話を聞きました。

ZOAは、当社のレンダーファームを使用して、85秒の建築アニメーションを制作しました。作品では、豊かな植栽を取り入れた高級マンションと、細部まで丁寧に作り込まれたインテリアを3ds MaxCoronaで描いています。

お名前とお住まいを教えてください。

アンドラーシュ・オノディです。ハンガリーのブダペストに住んでいます。

現在のお仕事について教えてください。

ZOA3Dの共同創設者兼共同オーナーを務めています。建築アニメーションと建築ビジュアライゼーションを手がける会社です。

ZOA3Dについて、またご自身の役割やチーム体制について教えてください。

現在、私は会社のCEOを務めています。パートナーのマーテー・ハーモリとともに、日々の業務全般を管理しており、提案内容の確認、リソース管理、オフィス運営の計画、そして経営判断まで幅広く担当しています。私自身は現在、主にマーケティング、営業、顧客対応に注力しています。

主なターゲット市場や、業務内容を教えてください。

建築ビジュアライゼーションを手がける会社やフリーランスは数多くあり、優れたビジュアルを制作しているところも少なくありません。その中でZOAが特に力を入れているのは、高品質な静止画に加えて、印象的な建築アニメーションを制作することです。私たちは、単に美しいだけでなく、ストーリーが感じられ、見る人の心に残る表現を大切にしています。また、チームワークと協力体制が創造性を高めると考えており、そのためにオフィス内でのコミュニケーションをとても重視しています。新しいプロジェクトに向き合う際には、堅すぎるワークフローに縛られず、できるだけ柔軟で開かれた姿勢を保つようにしています。そうした姿勢こそが、創造性を生み出す大切な要素のひとつだと考えています。

この分野に進まれたきっかけや、興味を持った理由を教えてください。

1994年、高校生の頃、友人の家でDOS版の3D Studio 4.0を初めて目にしました。その友人、ラースロー・シェベーは、のちにカナダのVFXスタジオで最初の社員となり、今もそこで活躍しています。私がブダペスト工科大学の建築学科に通っていた頃も、彼からはたくさんの刺激を受けました。当時は、大学の課題でPCを使うことはまだ一般的ではなく、ほとんどの作業を手描きで進めていました。設計案をコンピューターで見せる場合も、使われるのはたいていArchiCADでした。ArchiCADは壁やスラブ、柱といった建築要素をもとに組み立てていくソフトです。一方で3ds Maxは、もっと自由に「形」そのものを扱えるところがあり、その感覚が設計課題に取り組む私にはとても新鮮でした。特に惹かれたのは、彫刻のように形をつくっていける自由さです。その面白さに夢中になって、自分の設計課題にも毎日のように打ち込んでいました。当時は、完成したものを見せること自体が一番の目的だったわけではありませんが、それでも仕上がった作品は、ほかのソフトでつくられたものよりずっと印象的に感じられました。そうして続けていくうちに、これを仕事にしていけると自然に思うようになったのです。

CGを始めた時期や、キャリア初期の経験について教えてください。

最初に参加した大きなプロジェクトは、2000年のことでした。エステルゴムという町にある古城のゴシック様式のステージを映像で紹介する案件です。映像は720×576の高解像度で、ピクセルアスペクト比は1.067でした。正直なところ、このピクセルアスペクト比という考え方は、今でもよくわかっていません(笑)。4分の映像を、真夏のいちばん暑い時期に2か月かけて制作しました。主にこの作品を手がけたのは、後にZOAを立ち上げることになる4人です。今振り返ると、この4人なら現在は同じ映像を2〜3週間ほどで作れるでしょうね。なんだか笑えます。ZOAのコアメンバーは2000年からずっと一緒に仕事をしてきました。なかでもアニメーション案件は、いつの時代も特に熱意を持って取り組んできた分野です。

これまでに手がけた中で、特に印象に残っているプロジェクトや、難しかったプロジェクトについて教えてください。

私たちは常に、自分たちの力をぎりぎりまで引き出せる仕事に挑んでいます。私自身、「挑戦」や「やりがい」は外から与えられるものではなく、内側から湧いてくるものだと感じています。大変なのは、何週間も1日10〜12時間向き合い続けるようなプロジェクトです。その一方で、「建築・予算・スケジュール」という3つのバランスがうまく噛み合い、迷いなく取り組める案件もあります。そうした中でも、アントワープのNieuw Zuid開発プロジェクトで手がけた仕事は、特に誇りに思っている案件です:

SCHELDE 21 by Vincent Van Duysen Architects
Scheldezicht Animation | Residential Tower in Antwerpen
最近、アメリカの不動産デベロッパー向けとして初めて、大規模な建築アニメーションを完成させました。私たちにとって、大きな転機になった仕事だと感じています。もっと詳しくお伝えしたいのですが、現時点ではまだ公表できません。

Lately we have finished our first large scale animation for a developer in the US, which I think is a great breakthrough. Unfortunately, at this point, I can’t tell you more about it.

ZOAの今後について、また将来どのような姿を目指しているのか教えてください。

今後3〜4年で、現在16名のチームを30〜35名規模まで広げていきたいと考えています。その一方で、人数が増えても柔軟性を失わない会社でありたいとも考えています。そのため、規模が大きくなっても、型にはまりすぎず、創造的に動ける体制づくりに力を入れてきました。これからも、私たちが最も情熱を注いでいる建築アニメーションを中心に取り組んでいきます。また、新しい技術への挑戦も進めており、現在はVRアプリや「Flatchooser」というオンラインツールを開発しています。さらに今後は、Webサイトからパンフレットまでを含めた、総合的なマーケティング支援にも取り組んでいきたいと考えています。

最近、弊社でレンダリングしたプロジェクトについて聞かせてください。

Tripla(ヘルシンキの複合施設)です。

ヨーロッパ有数の不動産投資会社であるYITから、ヘルシンキの最新プロジェクトに関するアニメーション制作の依頼を受けました。私たちの役割は、施設内で利用できるさまざまな交通手段や、複合施設内の主要な共用エリアへの行き方をわかりやすく見せること、そして一部オフィス空間のインテリアデザインを紹介することでした。

このプロジェクトで最も大変だったのは、複合施設そのものの規模の大きさです。Triplaはサッカー場50面分もの広さがあるため、こうした非常に重いシーンを扱うには、レンダリング時間が長くなりすぎないよう、適切な最適化と管理が必要でした。

Schelde 21 – Elderly home in Antwerp

ここ3年近く、私たちはベルギーの不動産会社Triple Livingと仕事をしてきました。同社は、アントワープ最大の都市開発プロジェクト「New South」を手がけています。直近では、Vincent Van Duysen Architectsが設計した高齢者住宅「Schelde 21」のアニメーションを制作し、建物の建築的な魅力とその場の空気感を表現しました。幸い、クライアントは私たちの提案に前向きで、Schelde川沿いの雰囲気や建物そのものの魅力が伝わるよう、落ち着いたトーンでゆったりとした映像表現に取り組むことができました。ゆるやかなカメラワークと動きのあるタイムラプス表現はうまく調和し、よりアーティスティックなアプローチでこのアニメーションを仕上げることができました。

garden trees

技術面や、普段使っているツールについても教えてください。

Triplaのアニメーションは、1本あたり平均70秒ほどで、複合施設全体を紹介する15秒のインフォグラフィックパートも含まれていました。制作したアニメーションは全部で6本あり、フレームレートは25fps、総フレーム数はおよそ10,000フレームです。モデリング開始から納品までは、全体で約4か月かかりました。

Schelde 21のアニメーションは85秒で、フレーム数にすると約2,000フレームです。カットによって負荷は異なりますが、特に植栽が多いシーンは重くなりがちでした。私たちは常にレンダリングを最適化し、i7マシンで1フレームあたり60分以内に収まるよう調整していますが、実際にはシーンの内容によって変わってきます。使用しているマシンは32GBメモリを搭載しており、毎回ほぼ使い切るような状態になります。

モデリングやシーン制作には3ds Maxを使用し、先ほどのアニメーションはCoronaでレンダリングしました。植栽にはForest PackやCorona Scatter、タイムラプスの人物表現にはPopulate、そのほかFloorGeneratorなど、さまざまなプラグインも使用しています。特別なものではなく、どれも一般的によく使うツールです。

普段のレンダリングはクラウドレンダーファームを使うことが多いですか。それとも社内にレンダーファームを持っていますか?

社内で必要になるレンダリング能力は、時期によって大きく変わります。案件が落ち着いている時期もあれば、仕事が重なったり納期が近づいたりして、一時的に多くの処理能力が必要になる時期もあります。もし一番忙しい時期に合わせて自社レンダーファームを増やしてしまうと、使わない時間にも設備コストがかかってしまいます。現在、自社レンダーファームの稼働率は80〜90%ほどです。そのため、新しくXeonマシンを導入するべきか、それとも必要な分だけクラウドレンダリングサービスを使うべきかを考える段階に来ていると感じています。

ここ数年の建築ビジュアライゼーションの変化について、何か感じていることはありますか。

ここ数年で、ビジュアルのクオリティは驚くほど大きく伸びたと感じています。また、3ds Maxを軸に突き詰める人もいれば、Photoshopを駆使して仕上げる人もいて、それぞれが独自のやり方で素晴らしい表現にたどり着いているのも印象的です。そして、優れた静止画やアニメーションに決まった正解はないと思っています。だからこそ、この仕事はやはり純粋にアートなのだと感じます。

VRは非常に大きな可能性を持った技術です。現時点では、これをどうエンドユーザーに届けるかという点で、業界全体がまだ模索を続けています。ここが解決すれば、VRは一気に広がっていくはずです。私たち自身も、こうした流れにしっかり対応していくために取り組みを進めています。ZOAでは現在、複数の出力に対応したアプリを開発しており、Webでの表示、Facebook上でモバイルVRとして使える形式、そしてSamsung Gear VRでの利用を想定しています。ベータ版のデモはこちらで公開しています。 http://zoa3d.com/vrezy

建築ビジュアライゼーションは、単なるデザインなのでしょうか。それともアートなのでしょうか。どちらがメインだと思いますか?

正直、この問い自体に疑問を感じます。私にとって、デザインはアートの一つのかたちです。そしてビジュアライゼーションは、アートが最も力を発揮する表現のひとつだと思っています。これはとても典型的な応用芸術であり、まずは形状や建築環境、社会的・文化的な背景、販売戦略といった、与えられた条件をきちんと理解する必要があります。そのうえで、そうした要素を意識しすぎず、なおかつすべてを一枚のビジュアルやアニメーションに落とし込んでいく。そういう表現だと考えています。

最初にGarageFarm.NETを知ったきっかけは何でしたか。

御社からメールをいただいたのがきっかけで、実際にサービスを試してみました。本当にそれだけです(笑)。私たちはレンダリングに限らず、3D制作に関わるさまざまな工程で、より良く、より速く、より信頼できるサービスを見つけるために、日頃から新しいプロバイダーを試しています。

最初に当社レンダーファームを使い始めたときの印象はいかがでしたか。サービス全体についての感想も教えてください。

最初に使い始めたときは、価格面で非常に競争力があるという印象を持ちました。市場にある他のサービスと比べても魅力的で、インターフェースも整理されていて使いやすいと感じました。一方で、マシンの監視や管理については、改善の余地があると感じた場面もありました。年間を通して常に安定したサービスを提供するためには、そのあたりがさらに強化されるとよいと思います。

自分の進むべき道に迷っているCGアーティストの皆さんへ、アドバイスをお願いします。

  • 一つのことに絞り、それを徹底的に極めてください。
  • あらゆることに疑問を持ち、自分が取り組んでいることの全体像を理解しましょう。
  • チームで働いてみたり、自分の作品についてほかの人の意見も聞いてください。その考えを受け止め、批評にも耳を傾けてください。
  • 自分の仕事に情熱を持ってください。大切だと思えないことに懸命に取り組むのは、ストレスでしかありません。
  • 失敗を恐れないでください。失敗は学びの土台です。
  • そして、保存は必ずこまめに行いましょう :)

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