デジタルメディアが急速に発展する現代、テクノロジー企業とクリエイティブスタジオの連携することで、革新的な成果を生み出すことがあります。本記事では、モーショングラフィックスを専門とするコンテンツ制作スタジオ「Yacht Studio」と、クラウドレンダリングサービスの「GarageFarm.NET」によるコラボレーションを紹介します。両社が手を組んで実現した「BTS EXHIBITION: PROOF」のプロジェクトは、テクノロジーと表現力が融合することで、ビジュアルストーリーテリングの可能性がいかに広がるかを示しました。
Yacht Studioについて
Yacht Studioは2020年9月に設立され、ビジュアルストーリーテリングを軸にしたトレンド感あふれる映像制作で、独自のポジションを確立してきました。手がける作品は広告、テレビ番組、アニメーション、ミュージックビデオと多岐にわたり、クライアントのブランドイメージを丁寧に反映した映像づくりが特徴です。同スタジオの真骨頂はモーショングラフィックスにあり、美的センスとテクノロジーが融合した躍動感あふれる表現を得意としています。
「BTS EXHIBITION: PROOF」では、Yacht Studioが展示空間を彩る高解像度映像の制作を担当しました。会場では映像がエンドレスで上映され続け、その背景にはBTSの楽曲「YET TO COME」のミュージックビデオでおなじみの砂漠の風景が広がっています。映像のテーマはメンバーごとに異なり、VとSUGAそれぞれの個性を象徴するオブジェクトが印象的に表現されました。
ガレージファームの役割
高解像度映像の制作には、強力なレンダリング環境が欠かせません。自社マシンでの処理は時間がかかりすぎるため、Yacht Studioは外部のレンダーファームを探していました。品質を維持しながらコストも抑えられるサービスとして、ガレージファームを選びました。
ガレージファームを選んだ決め手のひとつは、テスト用クレジットです。Yacht Studioはこれを活用し、自社環境でのレンダリング結果と品質を比較検証して、互換性やレンダリング品質を確認することができました。この初期のテストを通じてガレージファームと信頼関係を築き、満足できることが確認できたため、採用することにしました。
プロジェクトの実施と課題
展示用映像の主な仕様は、4K解像度・300フレームのMOVフォーマットによるループアニメーションでした。ガレージファームを使用したレンダリング時間は約9時間でしたが、自社環境で処理した場合、同じ作業に12日間かかると試算されていました。

プロジェクトでは、BTSメンバーのVとSUGAを象徴するバラとピアノの3Dモデルを再現しました。複数の大型ディスプレイを連結し、これらのオブジェクトを砂漠のシーンにシームレスに組み込むことで、没入感のある展示空間を実現しています。また、主な来場者である女性の平均身長162〜165cmを考慮した視聴角度に設計され、最適な鑑賞体験を追求しました。

制作過程では、いくつかの技術的な課題にも直面しました。特に難しかったのが、シーン内の花や植物の動きの表現です。実際のディスプレイのサイズに合わせてモーションの速度やスケールを調整する作業は細部まで神経を使うもので、意図した映像表現を実現するために何度も素早くテストを繰り返す必要がありました。
使用ツールと技術的な対応
今回のプロジェクトでは、3DモデリングとレンダリングにはCINEMA 4DとREDSHIFTが使用されました。しかし作業の初期段階で、問題が発生しました。シーン内で使用していたAlembic形式のオブジェクトが、GarageFarm.NETのテストレンダリングで正常に読み込まれなかったのです。この問題はCINEMA 4D内のAlembicタグの設定を調整することで解決し、ファーム側でもオブジェクトが正しく認識・レンダリングされるようになりました。
サポートとサービス体制
ガレージファームの料金設定はリーズナブルで、サポートの対応も非常にスピーディーだとYacht Studioは評価しています。Kakao Talkやリアルタイムチャットで気軽に問い合わせができ、レンダリングのエラー対応から税務請求書の発行まで、さまざまな要望にその場で対応してもらえました。急ぎの対応が必要なときほど、このサポート体制の心強さを実感できたといいます。
成果と影響
ガレージファームとの連携によってレンダリング時間が大幅に短縮され、Yacht Studioはハードウェアの制約を気にすることなくクリエイティブな作業に集中できるようになりました。技術面での成功はもちろん、テクノロジーと芸術的なビジョンを高いレベルで融合させたこのプロジェクトは、多くの来場者の心に残る映像体験を生み出しました。
業界の展望と今後の方向性
Yacht Studioは、AIや高度なソフトウェアの進化に対して前向きな見方をしています。これらのツールはデザイナーの創造性を代替するものではなく、あくまで可能性を広げるものだという考え方です。今後もビジュアル表現の幅を積極的に探求し、映像クリエイターとして常に時代の先端に立ち続けることを目指しています。
ガレージファームについては、レンダリング時間の短縮とアウトプットの質向上に貢献する信頼できるサービスとして、Yacht Studioは自信を持っておすすめできると述べています。
まとめ
このケーススタディでは、Yacht Studioとガレージファームとのコラボレーションを通じて、技術をサポートしてくれるパートナー選びがいかに重要かを紹介しました。優れたレンダリング環境を活用することで、制作スタジオは技術的な制約を乗り越え、世界中の観客を引きつける映像を生み出せるのです。
Yacht Studioの作品やプロジェクトはYacht Studio公式サイトでご覧いただけます。ポートフォリオには、革新性とクオリティ、そしてビジュアルストーリーテリングへの情熱が詰まっています。
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