導入事例

キャラクターデザインからモーションまで:シン・ミンジョンが Blenderで描く、ツインテールのメイドキャラ

アニメーション
デジタルアート
White grid pattern forming a stepped circular shape on transparent background.White grid lines forming a stepped circular shape on a transparent background.White grid pattern with evenly spaced horizontal and vertical lines forming squares over a transparent background, arranged in a curved lower edge.

3Dキャラクターアーティストのシン・ミンジョンにとって、キャラクターデザインは、ただ見た目の美しいモデルをつくることではありません。そこに個性や存在感を持たせ、いきいきと動かすところまでが、キャラクターづくりだと考えています。

直近の個人制作では、ツインテールのメイドが音楽に合わせて踊る短編アニメーションに挑戦しました。もともとはアニメーションの練習として始めた作品ですが、3Dキャラクターをより生き生きと表現するための、新たな試みでもありました。レンダリングにはGarageFarm.NETを利用し、リギングや物理シミュレーション、動きのタイミング調整、仕上げ、納品まで、作品の完成度を左右する部分にじっくり取り組むことができました。

デザインから3Dへ

Diner girl by Min-Jeong Shin

シン・ミンジョンは2017年にビジュアルデザインを学び始め、2021年に大学を卒業しました。その後はキャラクターデザインを中心に、イラスト、モデリング、アニメーションを組み合わせた3Dキャラクター作品を手がけています。当初は2Dイラストを軸にキャラクターデザイナーを目指していました。しかしBlenderと出会ったことで、制作の方向性は3Dへと広がっていきました。

Diner girl by Min-Jeong Shin

シン・ミンジョンにとって、3Dを始めたことは、2Dイラストをやめることではありませんでした。キャラクターをより多面的に表現するために、できることを増やしていったのです。現在は、キャラクターデザイン、3Dモデリング、アニメーション制作を組み合わせながら、見た目だけでなく、動き方や表情、画面の中での見せ方まで含めて、キャラクターの魅力を形にしています。

「もし3Dを始めようか迷っているなら、考えすぎず、まずは始めてみてください。2Dと3Dを組み合わせれば、空間の枠にとらわれない、すばらしいデザインを生み出せるはずです。」  — シン・ミンジョン

特に現在、チュートリアルや学習資料が豊富に手に入るため、3Dを始めるハードルは以前よりずっと低くなったとシンは考えています。

Blenderを選んだ理由

シンは、キャラクター制作にBlenderを使っています。3D制作を始めたばかりの人でも導入しやすく、モデリング、アニメーション、レンダリングまで一つのソフトで進められるからです。また、無料で使えるため、気軽に始められます。高価なソフトをそろえなくても、キャラクター制作に必要な工程をひと通り学べることが、Blenderの大きな魅力です。

「Blenderは誰でも始めやすいソフトです。高機能でアップデートも充実しているのに、完全無料で使えます。」  — シン・ミンジョン

シンは、Blenderは他の3Dソフトよりも操作がわかりやすく、初心者にも勧めやすいと話します。また、スカルプトやGeometry Nodesなどの機能も進化しているため、Blenderはこれからも初心者からプロまで幅広く使われるツールであり続けるだろうとシンは語ります。

キャラクターに命を吹き込む

ツインテールのメイドが音楽に合わせて踊る今回の作品では、何度でも見たくなるような、短くて楽しい、中毒性のある映像を目指しました。これまでも短い動画は制作してきましたが、音楽に合わせて最初から最後までつくり込むアニメーションは今回が初めてでした。そのため、楽しみな反面、挑戦の多い制作でもありました。

Diner girl by Min-Jeong Shin

完成した映像は短いものですが、制作では多くの要素を丁寧に組み合わせる必要がありました。音楽のリズムに合わせて自然に踊らせることはもちろん、髪や衣装の揺れにもダンスの動きに合った自然さが求められます。さらに、短い映像だけでもひとつの作品として見応えが出るよう、動きの細部まで丁寧に調整しました。

リギング、髪、衣装の難しさ

今回とくに苦労したのは、キャラクターを動かすためのリグづくりと、髪や衣装の揺れの調整です。ダンスでは、こうした細かな動きが仕上がりを大きく左右します。体の動きに髪や衣装が自然についてこないと、キャラクター全体の動きにも違和感が出てしまいます。

3D maid character by Min-Jeong Shin

物理演算が硬すぎると、キャラクターの動きまでぎこちなく見えてしまいます。反対に、揺れが大きすぎたり不安定だったりすると、見ている人の注意がそちらに向いてしまいます。ツインテールや衣装の揺れがダンスを邪魔せず、動きの魅力を引き立てるように、全体の適切なバランスを見つける必要がありました。

「もっとも難しかったのはリギングです。ダンスの動きに合わせて、髪や衣装が物理シミュレーションで自然に揺れるよう調整しました。」  — シン・ミンジョン

ここからは、キャラクターモデルをつくるだけでなく、アニメーション作品として仕上げる段階に入ります。完成したデザインを見せるだけでなく、そのキャラクターらしい動きをどうつくるかにも取り組みました。

GarageFarmでアニメーションをレンダリング

Diner girl by Min-Jeong Shin

最終的なアニメーションは、BlenderのCyclesでレンダリングしました。出力したフレームは約800枚です。GarageFarm.NETでは、1〜50フレームのレンダリングにおよそ5〜10分でした。一方、Cyclesを使って自分のPCで同じ枚数を出力すると、30分以上かかる見積もりだったようです。この差は、制作の進め方にも大きく影響します。

「レンダリングを任せている間に、ほかの作業を進めたり、休憩したりできたのはとても助かりました。締め切りが迫っているときでも、すぐに結果を確認できるのもよかったです。」  — シン・ミンジョン

予想以上に使いやすかったレンダーファーム

シンは、以前からレンダーファームの存在は知っていたものの、使い方が難しそうだと感じて利用を避けていました。最初にGarageFarm.NETを使ったのはスポンサーシップの依頼がきっかけでした。そして実際に試してみると、普段の制作にも無理なく取り入れられたため、その後も使い続けています。

3d maid character by Min-Jeong Shin

シンがGarageFarm.NETの最大の魅力として挙げるのは、使い方のわかりやすさです。プラグインをインストールし、ファイルをクラウドにアップロードし、レンダリング設定を少し調整すれば、あとはレンダーファームに任せればいいのです。初めてレンダーファームを使う人にとっても、この手軽さは大きな魅力だと感じています。

作業を支えるサポート

GarageFarm.NETの利用中、シン・ミンジョンは技術的なトラブルを経験しませんでした。それでも、サポート体制には安心感があったといいます。

「とても親切に対応していただき、いつも心から感謝しています。」  — シン・ミンジョン

レンダーファームは、完成した最終版をレンダリングするときだけに使うものではありません。試しに出力して確認し、修正を重ねながら使い方を覚えていく必要があります。そのため、手順がわかりやすく、困ったときに相談できるサポートがあれば、レンダーファームへのハードルは下がります。制作フローの一部として、無理なく使えるようになるのです。

画面の外へ広がる3D表現

シンはデジタルでのキャラクター制作を続ける一方、3D作品を実際に作ることにも興味を持っています。なかでも注目しているのが、3Dプリンターです。以前より手軽に利用できるようになったことで、デジタルで制作したキャラクターを立体作品として出力することが可能になっています。

3d maid character by Min-Jeong Shin

かつて3Dプリンターは、専門家や技術に詳しい人のためのものという印象がありました。しかし今では、より多くのアーティストや趣味で制作を楽しむ人たちにも使われるようになっています。AIがクリエイティブ業界で存在感を増す今、シンにとって3Dプリンターは、特に意味を持つと感じているそうです。

「AI時代を生きる今、作品をデジタルの中だけにとどめず、実体として形にすることへ関心を向ける人が増えています。」  — シン・ミンジョン

多くのアーティストがAIツールを取り入れるなか、シンはキャラクター制作にAIを使っていません。彼女が目を向けているのは、AIとは逆の方向です。人の手でしか生み出せない表現や作業に、より強く惹かれています。

今後の目標:フィギュア、アートトイ、そして世界へ

シンの次の目標は、自身のキャラクターデザインや独自の世界観をもとに、フィギュアやアートトイを制作することです。デジタルで生まれたキャラクターが、手に取れる立体作品となり、コレクションとして人のもとに届く――それは多くの3Dキャラクターアーティストが抱く夢でもあります。

今後は、海外の視聴者に向けて関連動画をYouTubeにさらに投稿していく予定です。YouTube、Instagram、ArtStation、Xに加え、日本語や英語などに対応したColosoの講座を通じて、世界中の受講者やフォロワーに作品を届けてきました。海外のファンの多くは、SNSを通じて彼女の作品を知ったといいます。

3d maid character by Min-Jeong Shin

シンは、海外からの反応を通して、言葉がなくても伝わるキャラクターデザインの力強さを感じています。デザイン、動き、表情や雰囲気があれば、国や言語が違っても魅力を届けられるのです。シンは、アニメーション、Blender、3Dプリンティング、アートトイといった表現を通して、キャラクターの可能性を広げています。彼女の作品は、キャラクターを画面の中だけにとどめず、やがて立体作品としても形にしていくでしょう。

シン・ミンジョンの作品はこちら

シン・ミンジョンの作品は、Instagram、ArtStation、X、YouTubeで見ることができます。

Instagram: instagram.com/tlsalswjdd
ArtStation: https://www.artstation.com/tlsalswjddd
X: https://x.com/tlsalswjdd
YouTube: https://www.youtube.com/@tlsalswjdd

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