時間とは何でしょうか。
アインシュタインは、時間と空間は一体となって現実の土台を形づくっていると考えました。一方で、人間の知覚の限界が生み出した幻想にすぎないと捉える人もいます。
3Dアーティストのエリザヴェタ・アレクサンドル、フィオナ・ファトラ、ディラン・ドゥシーは、「時間」を図書館にたとえて表現しました。作中では、置き時計とBB-8を合わせたような見た目の小さなロボットが、図書館の司書のように時間を管理しています。3人はベルギーのオート・エコール・アルベール・ジャカールで3Dを学び、卒業制作として短編アニメーション「Dawn of Time」を制作しました。この作品では、「時間とは何か」というテーマを映像で表現するために、モデリングやアニメーション、ライティングなど、学んできた3D制作の技術を活かしています。
大きな挑戦には、大きな苦労が伴う
3人が選んだのは、「時間」や「タイムトラベル」という難しいテーマだけではありません。その世界を表現するために、精巧な時計の仕組みをベースにした複雑な舞台も作り上げました。時間の「図書館」を移動する中心的な乗り物は、上品なエレベーターです。歯車、文字盤、バネによって動く仕組みになっており、部品の一つひとつが丁寧にモデリングされ、アニメーションが付けられています。エレベーターと、さまざまな時代へつながる扉を結ぶ可動式の橋も、鉄製の時計の針を思わせるデザインです。橋は歯車や文字盤、バネの力でスライドしたり回転したりします。この幻想的な世界を考え出すには豊かな発想力が必要であり、それを実際に映像として動かすには、高度な3D制作スキルも求められました。
これでも、まだ映画の冒頭シーンにすぎません。
物語が進むにつれて、3人の発想力と制作技術はさらに発揮されていきます。主人公は、時間を管理する小さなロボットです。異なる2つの時代で時間の流れに異常が起きていることに気づき、その原因を調べに向かいます。ロボットはエレベーターに乗り、古代エジプトのような場所へ通じる扉を開きます。時間の図書館がゴシック調の薄暗い空間だったのに対し、こちらは砂に覆われた明るく暖かな世界です。ロボットは異常の原因を探し、ある土器の中から、その時代には存在しないはずの未来的な装置を見つけます。誰かに見つかる前に装置を回収しますが、その立方体のような装置は、古代エジプトにあるべきものではありません。
ロボットは時間の図書館に戻り、今度は中世の酒場につながる扉へ向かいます。荒い石壁にはオーク材の樽が並び、木製のテーブルはろうそくの明かりに照らされています。まるで『Skyrim』に出てくる酒場のような雰囲気です。そこでロボットは、先ほど古代エジプトで見つけた未来的な装置の、もう半分を発見します。この場面では装置の全体像がより明確になり、中には不思議に光る物質が収められています。
映画では、その装置が何なのか、どんな力を持つのか、なぜ別々の時代に分かれて存在していたのかは、はっきり説明されません。ただ、本来はロボットが管理する時間の図書館内の、研究室に置かれるべきだと示されています。ラストでは、時間や空間の枠を超えた世界の中で、複数の時間軸や並行世界が同時に存在しているという概念をほのめかしています。
「Dawn of Time」が生まれた背景
「Dawn of Time」は、印象的で不思議で美しい作品です。制作者の3人にとっては、VFXスクールで学んだ技術を集約し、卒業制作として形にした大きな挑戦でもありました。3人が目指したのは、ほかとは違う作品を作ることであり、そのために選んだのが、建築ビジュアライゼーションと物語を組み合わせる方法です。歴史上の異なる時代や場所を、建築のデザインを通して見せながら、時間を旅するストーリーを描いています。
「Dawn of Time」は、3人の卒業制作であると同時に、これから始まるキャリアの第一歩となる作品です。実務経験はまだありませんでしたが、3ds MaxとV-Rayで培ったモデリングやアニメーションの技術、そしてオンラインレンダーファームを活用し、商業作品にも引けを取らないクオリティに仕上げました。
「GarageFarm.NETの利用は初めてでしたが、サポートチームは私たちの初歩的な質問にも辛抱強く、親切に対応してくれました。また利用したいと思っています。」と3人は語ります。
実際には、かなり大きな助けになったようですね。
GarageFarm.NETのレンダーファームを使うのは初めてでしたが、3人はレンダーファームの仕組みをすぐに理解し、大きな手間やコストをかけずに作品をレンダリングできました。「GarageFarmのアプリは画面が分かりやすく、完成したレンダリング画像もそのまま自分のPCにダウンロードできます。」と3人は話します。また、「試したほかのレンダーファームはもっと高額でした。ショット全体の費用を見積もるためのテストレンダリングも、とても使いやすかったです」と評価しています。
「Dawn of Time」は、3人にとってキャリアのスタートを象徴する作品です。そして、その制作でGarageFarm.NETを選んだ決め手は、24時間365日対応するサポート体制でした。「サポートチームの対応がとても早く、どんなに遅い時間でも5分以内に返答がもらえる点が、GarageFarmを選んだ理由です」と3人は語っています。
3D制作は工程が複雑なので、予期しないトラブルがつきものです。3人の場合は、シーン内の一部オブジェクトが原因でレンダリングがうまく進まないという問題でした。そんなとき、すぐに頼れるサポートがあることは大きな安心につながります。「トラブルが起きても、すぐに相談できる相手がいるのは本当に心強かったです。レンダーキューの操作や、問題があるシーンの確認まで対応してもらえました。いつも親切で、根気よく助けてくれました」と3人は話します。
3人はGarageFarmのサポートを高く評価していますが、クラウドレンダリングを利用する決め手となった一番の理由は、その処理速度でした。「GarageFarmで約1,000フレームをレンダリングしました。自分たちのPCでは完了まで1週間ほどかかる見込みでしたが、レンダーファームでは6時間以内にすべてのショットを仕上げられました」と3人は話します。「レンダーファームのおかげで大幅に時間を短縮できました。これがなければ、この作品は完成していなかったでしょう。」
クラウドレンダリングを活用したことで、「Dawn of Time」は細部まで作り込まれた完成度の高い作品になりました。作品からは、エリザヴェタ、フィオナ、ディランの3人が持つ確かな技術力と豊かな発想が伝わってきます。
この卒業制作は、3人がこれから3D業界で活躍していく可能性を十分に感じさせてくれます。




