ベンジャミン・スタントンは、Blenderに興味を持ったことをきっかけに、アイデアやイメージを形にする手段を身につけていきました。特に力を入れたのが、4か月かけて制作した広大な都市を10秒のアニメーションに仕上げた作品です。シンプルなBlenderの制作とはかけ離れて複雑になってしまったなシーンを、GarageFarm.NETを使って最終的な映像を完成させることができました。
照明の仕事をきっかけに広がった、3Dへの関心

ベンジャミンは照明業界の製造部門で約20年働いてきました。しかし2022年、照明デザイナーになるための研修を受ける機会があり、それまでよりもデザインに深く関わるようになりました。現在は実際の建物の照明を設計しています。この経験をきっかけに、3Dをはじめとする映像表現にも興味を持つようになりました。
そして出会ったのが、Blenderです。

3Dを初めて学ぶ人によくあるように、ベンジャミンも以前から何度かBlenderをダウンロードしていました。しかし最初に表示される立方体を見ても、それから何をすればいいのか分かりませんでした。きっかけになったのは、YouTubeで見つけたBlender Guruの有名な「ドーナツ」のチュートリアルです。彼はシリーズを最後まで終える前に、自分でも作ってみたい作品のアイデアが浮かぶようになりました。
「チュートリアルを最後まで終える前に、試してみたいアイデアがもう10個くらい浮かんでいたと思います」― ベンジャミン・スタントン
日常の中で見つけるアイデア
ベンジャミン・スタントンは、最初から作るものを細かく決めて制作するわけではありません。日々の暮らしの中で気になったものをメモしたり、写真やスクリーンショットに残したりしています。そうして見つけたものを、どう作品に取り入れられるか考えるのも、制作の一部です。
こうして日常から発想を広げる中で、身近な人からも作品のヒントを得ています。たとえば、6歳の甥がロボットが大好きなことから、ベンジャミンの作品にはロボットが繰り返し登場しています。小さなロボットやスーパーヒーローを作るのは、甥を楽しませたいという意図と共に、自分が3Dに夢中になったように、甥にも想像する楽しさを感じてほしいからです。
「甥のために作ったロボットやスーパーヒーローを見て、どんな反応をするのかが本当に楽しみです。いつか甥も自分で作ってくれたらうれしいですね」― ベンジャミン・スタントン

時が止まった街――ソウルに着想を得た都市の制作
ベンジャミンは建築に興味があったため、CG Boostの都市環境制作講座はまさに求めていた内容でした。彼はすでにYouTubeを通じて様々なことを学んでいましたが、さらに上達するため、より的を絞った専門的なカリキュラムを求めていました。講座では街並みを作る手順を学びましたが、最終的に彼が作り上げた作品は、レッスンで使用された街並みとは大きく異なるものになりました。

作品の着想源になったのは、ソウルの街並みでした。ベンジャミンの妻の兄がドラゴンボートのレースに出場するため、夫婦でソウルに訪れたことがきっかけでした。滞在した明洞には、ネオンサインやライトアップされた店が立ち並び、そのにぎやかな雰囲気が心に残り、街を制作する際の参考になりました。
また、この街の制作には、韓国語を学びたいという個人的な思いも生かされています。ベンジャミンはシーンの随所に韓国語の文字を取り入れ、作品を作りながら韓国語の読み書きにも触れていきました。

ベンジャミンは、仕事や日常生活の合間を縫って、ソウルの街並みに着想を得た都市シーンを少しずつ制作しました。しかし作業を進めるうちに、思い描いた仕上がりにならないと気づき、大部分を作り直すこともありました。それでも、作り直すたびに内容は洗練され、街の表現にも深みが加わっていきました。
「どこまで細部を作り込み、どこをあえて抑えるべきかを作りながら学びました。また、複雑な質感を重ねることで、デザイン全体の印象をより際立たせ、見応えのあるものにする方法も身につけました」―ベンジャミン
この作品でベンジャミンが最も価値を感じているのは、特定の建物や表現、映像のシーンではありません。制作を最後まで続けたことで、自分の制作方法がどれほど変わっていくかを実感できたことです。
制作を終える頃には、このプロジェクトはベンジャミンにとって大きな転機となっていました。シーンの大まかな構成を設定し、細部を作りこみ、質感を整え、最後に街全体をアニメーションにするまでの工程を、一連の制作フローとして身につけることができたからです。この都市の作品は、3D制作にどのように取り組みたいのかを考えさせてくれる、ベンジャミンにとって重要な作品となりました。
「3Dモデリングでいちばん楽しいのは、完成したものを見る瞬間です。自分で、本当にかっこいいと思えるものを作れたという実感と、自分の創造性を表現できる場があることに喜びを感じます」― ベンジャミン
レンダーファームでアニメーション制作を効率化する

レンダーファームを利用する前は、アニメーション制作は個人的な3D作品では難しいと考えていました。24fpsで10秒ほどのカメラ移動でも、自宅のPCでレンダリングすると非常に時間がかかります。解像度を下げなければ完成までたどり着けない、と感じるほどでした。
「アニメーションなんて、自分には無理だと思っていました」- ベンジャミン
彼は都市のプロジェクトを進める中で、この限界を強く実感しました。アニメーションをつけて完成させたいと思っていましたが、仕事の合間に自宅のPCでレンダリングすると、何週間もかかります。そこでGarageFarm.NETを利用したところ、レンダリング時間が数週間という見積もりから数分に短縮され、無事にアニメーションを完成させることができました。

ベンジャミンがGarageFarm.NETを知ったのは、Googleでレンダーファームを探しながら、色々なサービスを比較していたときでした。初めて利用したのは都市のアニメーション制作の時です。実際に使ってみて、とくに良かったと感じたのは、レンダリングの速さとサポートの手厚さでした。
「いちばん良かったのは、やはりレンダリングの速さです。たまに技術的な問題も起きましたが、サポートに問い合わせると、すぐに対応してもらえました」- ベンジャミン
趣味で3D作品を制作しているベンジャミンにとっては、費用も気になるところでした。それでもGarageFarm.NETでは、負荷の大きなレンダリングでも数ドルしかかからなかったそうです。費用を抑えられるため、制作の規模を変えたり、作品の制作方法を変えたりせずに進めることができています。
これからも、自分だけの世界を作り続ける

これから作りたいものを考えると、ベンジャミンは子どもの頃を思い出すそうです。『メタルギアソリッド』で遊んでいた時、「いつか自分でもこんな世界を作れたら」と憧れていました。当時は夢のような話でしたが、今はBlenderのようなツールを無料で使えます。かつて想像するだけだった世界を、自分の手で作れるようになりました。
「子どもの頃は、自分だけの小さな3Dの世界を作るなんて、夢でしかありませんでした。[中略]今では、あの頃には想像もできなかった形で、ものづくりを楽しむという夢をかなえられるようになりました」- ベンジャミン
ベンジャミンは今後数年かけて3D制作の腕を磨き、いずれは副収入につなげたいと考えています。ただ、今は新しいことを学び、いろいろな表現を試しながら、思い描いたものを形にする過程を楽しんでいます。技術が進むにつれ、3D制作がこれからどう変わるかは分かりません。それでも、作品を作る人の発想や手仕事は、これからも大切であってほしいと考えています。
「大切なのは、人が作っているからこそ伝わるものだと思います。作品を見れば、その人が何を思い描き、何をみんなに見せたかったのかが伝わってきます。そういうことはAIにはできません」- ベンジャミン
使うツールが変わり、制作にかかる時間が短くなっても、ベンジャミンが目指すことは変わりません。これからも学び、作品を作り続けながら、頭の中にある世界を、ほかの人にも見える形にしていきます。
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